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『「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変える』を自社の提供価値と銘打つ不動産ベンチャー企業が、東京・渋谷を拠点とするヒトカラメディアだ。2013年に設立し、30人弱の社員を抱える。

彼らの主力事業は「オフィス移転の仲介」だが、移転する企業の経営戦略や採用戦略に紐付いたオフィス選定、組織の課題解決や成長につながる内装プランニングなどの「提案力」に強みを持っているのが特長だ。

記事前編では、彼らが新しくスタートさせた事業の「スイッチオフィス」について、その狙いや3年後のビジョンをうかがった。今回は、事業を推し進めるヒトカラメディアが現在欲しい人材にフォーカスを当て、前編に続き、取締役の田久保博樹氏、新規事業部の日比野亮二氏に話を聞く。

異業種人材も活躍!欲しいのはスペシャリストよりも「何でも屋」

ヒトカラメディアは不動産事業を推し進めるが、「働き方」や「組織体」としてはIT企業のそれに近い。現在は第二新卒の23歳から、元は大手オフィス家具メーカーの42歳まで、バックグラウンドもさまざまな社員が集い、社内ツールには「Slack」を用いてコミュニケーションを図る。

日比野氏は「社内には話しかけやすい雰囲気がある。自分の事業だけでなく、他の事業部の人にもしやすいのが嬉しい。営業だけでなく空間プランナーが仲介にも関わることがあり、ヒトカラメディアは『横のつながり』を特に意識している」と話す。

日比野氏の前職は不動産投資会社や機械メーカーの営業職、田久保氏も元はWebメディアの編集者だった。田久保氏は前職で得た編集スキルが今にも役立っていると話す。「ヒトカラメディアは単に不動産を紹介するだけでなく、その先にあるビジョンを顧客といかに作るか、あるいはどうすれば自分たちのメッセージが伝わるかを考えながら仕事をする。だからこそ、編集者としての企画作りや取材先へのヒアリングなど、生きているスキルがある」

bizna_hitokara08冒頭でも書いたように、ヒトカラメディアは「提案力」に強みがある。たとえば、ベンチャー企業の事業計画や採用戦略を見た上で、「資金調達のタイミングからいえば、現在は渋谷で40坪の物件よりも、五反田で60坪あるものがよい」といった具体的な案を返すこともある。

しかし、顧客が「渋谷で40坪」を希望しているのであれば、その仲介をして儲けを得ることもできるはずだ。田久保氏は「そもそもオフィス移転は大きな買い物であり、財務計画などを考慮せずに薦めるのは恐ろしい判断を迫っていると感じる。たしかに他社に比べると売上の効率は悪くなるかもしれない。ただ、2年後や3年後にその企業からの紹介を得るなど、継続的な付き合いを念頭に置けば、トータルの利益が返ってくると信じている」とビジョンを示す。

だからこそ、ヒトカラメディアは顧客のニーズを汲み取り、広い視座で要件を構成し、移転にかかるプロセス自体のバリューを上げる意欲がある人材を求めている。そして、ヒトカラメディアもベンチャー企業だからこそ、一人あたりがやるべき範囲の仕事も広い。現在求めているのはスペシャリストよりも、むしろ「何でも屋」といわれるような人だという。それぞれが培ってきた職能を不動産事業と結びつけ、新たな領域に取り組んでいくのだ。

「内装プランニングを提案する際に、顧客によってはワークショップの企画から始めることもある。たとえば、広告代理店のプランナー職や、IT企業の企画営業職などは合いやすいかもしれない」と田久保氏。

VR内見、バーチャル内装……不動産×ITがもたらす可能性


今後、ヒトカラメディアは単一事業で人員を増やしていく方針よりも、既存事業にシナジーを渡し合える新規事業を増やしていく方針を持っているという。

一例として、日比野氏が推し進めるのは、物件オーナー向けに内装プランニングとVR(バーチャルリアリティ)を組み合わせたサービスだ。ヒトカラメディアが内装やレイアウトのプランニングを行ってデータ化し、実際の物件に合わせてVR上で擬似体験する。実際のイメージをつかみやすくなり、オフィス内装プランニングなどの受注に結びつけていきたい考えだ。サービスの反響はよく、日比野氏は「すでに3件のお申込みをいただいており、契約に向けて進んでいます」と手応えを感じている。

また、「VRを活用する事業者は多いと思うが、ヒトカラメディアは経験に基づいたレイアウトやデザインの提案に差別化ポイントを置いている。VRはあくまで手段であり、大切なのは見せる中身。大きな可能性を感じている」と期待を寄せた。

 

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レガシーな不動産業界にあって、柔軟な発想と先見性を活かしながら、バックグラウンドの異なる社員が活躍するヒトカラメディア。単なる仲介業者ではなく、企業の成長や業界の未来につながる仕事をしているからこそ、彼らが担う役割は大きい。

文・撮影:長谷川賢人

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