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資産運用といわれて思い浮かぶものはなんだろうか?

株式投資、投資信託、個人向け国債……昨今ではFXも耳馴染みのあるフレーズになっているかもしれない。そのなかで、不動産投資を挙げる人がどれくらいいるだろう。

株式の個人投資家は日本国内に推計で1200万人いるが、不動産投資家は320万人といわれる。4分の1ほどの人数だが、この比較を「人口比にすれば2.5パーセントしか投資家がいないのは少なすぎる。たとえば、香港は人口800万人に対して400万人の不動産投資家がいる」と声を強めるのは、リーウェイズ株式会社の代表取締役CEO、巻口成憲氏だ。

彼が率いるリーウェイズが掲げるミッションは「ITによる不動産投資環境の再構築」。ランプの妖精・ジーニーをモチーフにしたロゴは「クライアントの夢を叶える存在に」という思いから採用されたというが、彼らの見る夢は必要な情報がないまま不利な不動産投資をせざるを得なかった人々を救い、その環境を改善し、不動産投資市場を拡大することにある。

東京・渋谷にある本社オフィスに加え、大阪支社を持つリーウェイズは社員32名のベンチャー企業。しかしながら順調に増資を重ね、イシン株式会社が発行する業界誌『ベンチャー通信』が選出する「ベストベンチャー100」にも選ばれるなど期待を集めながら、自社サービスに日々磨きをかけている。

彼らが主軸に置くのは、2009年から独自に収集した5000万件を超える物件データとAIをかけ合わせた、“より緻密かつ直感的な投資分析を行える”不動産投資プラットフォームの「Gate.」だ。

従来では算出し得なかったデータで投資判断ができるシステム

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「Gate.」は膨大なデータと機械学習アルゴリズムの掛け合わせにより、不動産の資産価値の下落や空室率をはじめとするリスク情報を考慮した「全期間利回り」を分析・算出するシステムを持つ。投資家は購入から売却までの収支をワンクリックでシミュレーションできる。気に入った物件があった際は、リーウェイズに属する不動産投資の専門家が売買までをサポートする。

従来の不動産投資における指標のひとつであり、物件の収益性の高さを測るのに用いていた「表面利回り」では、家賃の下落や空室率といったリスクに対処できなかった。一方、「Gate.」の「全期間利回り」は、収集した物件データを基にそれらの数値を割り出すことで、最適な売買時期の分析を行えるのが特色だ。

リーウェイズはこのサービスを「1アカウント月額2万円」で利用できる有料版を提供している。ワンクリックで提案予定の物件や、融資査定したい物件の収益性・安全性に関するデータを導きだせるが、これまでならば不動産業者や銀行が半日程度の時間をかけて作成していた資料に値するという。業務効率化だけでなく、より多角的な投資判断の情報も得られるようになる。

巻口氏は「政令指定都市ならば、ほぼ9割以上の精度で分析できる」と自信をのぞかせる。彼らが目指しているのは「不動産投資業界におけるインテル」のような存在だ。インテルは言わずと知れた半導体素子メーカーだが、PCやスマートフォンを使うのであれば、自動的に組み込まれるようなパーツをつくっている。同様に、リーウェイズも不動産業界に関係する人々にあまねく「Gate.」が利用されるイメージを抱いている。

「1アカウント2万円では安価だと思われるかもしれないが、我々のターゲットは不動産業者だけではなく、税理士、FP、銀行といった方々も顧客に成り得る。また、日本の物件に投資したい世界のエージェントも含まれる。全体でおよそ3000ユーザーを獲得できれば、十分にリーウェイズはネクストステップへ進める」と巻口氏は語る。

不動産屋を「不動産マン」へバージョンアップしたい

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巻口氏がこのビジネスモデルを着想したのは、国内投資不動産デベロッパーや経営コンサルタントを経て、中古不動産のリノベーション事業に携わっていたとき。日本における不動産投資環境が「世界と比べて何周も遅れている」という感覚を持った。

「世界の投資マーケットでは不動産投資こそがメインストリーム。アメリカ人は生涯で7〜8回も不動産投資をして資産を形成していくのが当たり前なのに、日本だけは不動産投資がなされていない。つまり、そこにはビジネスチャンスがあると感じた」と巻口氏は振り返る。

なぜ、アメリカと日本で不動産投資に対する感覚が大きく異るのか。「日本が地震大国だから」という筆者の声に、巻口氏は「アメリカならハリケーンがある」と返す。他の条件を想像しても、同様に日本とアメリカで差がある部分は少ない。つまり、天変地異の事由ではなく、「社会的な意識の違い」にこそ問題があるのだという。リーウェイズはツールを通じた投資家の情報格差を埋めることはもとより、そういった業界の慣習や意識そのものを変革しようともしている。

「私が問題意識として持っているのは、不動産屋だけが未だに『屋』と名乗っていること。しかし、証券マン、銀行マン、広告マン、オイルマンといったように、他の業界はみんな『マン』を使う。なぜなら、それが人々のアイデンティティであり、プロフェッショナルとしての誇りを持っているからだと考えている。リーウェイズは一人でも多くの『不動産マン』を生み出したいという思いがある」

それゆえに、従来的な表面利回りでの営業や、それを悪用した入居者偽装(空室物件に意図的に高い賃料を設定して価値を水増しするといった行為)といった問題を引き起こさないためにも、リテラシーとプロ意識の向上も課題としているのだろう。

外資ファンドはすでに東京に狙いを定めている

巻口氏によれば、日本の建築水準は世界トップクラスであり、東京のマーケット規模も世界上位である。事実、東京の不動産は海外投資家から熱い視線を浴び、すでに多くの資本が参入してきているという。

たとえば、1998年に旧国鉄が払い下げた東京・八重洲の土地は、日本の財閥系は落札できず、香港系のパシフィックセンチュリーグループ(PCCW)が800億円で取得。彼らは400億円をかけて「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」というビルを建造したが、2006年には日本のダヴィンチ・アドバイザーズに2000億円で売却。つまり、たった8年間でPCCWは800億円を稼ぎ出したことになる。

「外資ファンドが日本の不動産で大きな利益を得ている例は枚挙に暇がないほど。なぜなら日本の不動産がとても割安だからだ」と巻口氏は話すが、依然として日本では不動産投資が活況とはいえない。その根底のひとつには、現在の投資不動産を扱う営業の武器が、間取り図と表面利回りを書いたチラシのほかは、各担当者の売り文句や熱意といったものしかないからだという。

リーウェイズ、そして「Gate.」は、独自データとテクノロジーを用いて、この状況を変えることを試みている。巻口氏が起業を志した背景には、日本の不動産マーケットを健全化かつ透明化し、投資家のマーケットリテラシーや存在意義を高め、より社会的な地位が与えられる存在になりたいという想いがあるのだ。

記事後編では、不動産投資の未来だけでなく、リーウェイズが現在欲しい人材についても話をうかがっていく。

文・撮影:長谷川賢人

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