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「ITによる不動産投資環境の再構築」をミッションに掲げるリーウェイズ。東京・渋谷にある本社オフィスに加え、大阪支社を持つリーウェイズは、イシン株式会社が発行する業界誌『ベンチャー通信』が選出する「ベストベンチャー100」にも選ばれるなど期待を集め、増資を重ねて勢いを増している。

彼らの主軸サービスは、2009年から独自に収集した5000万件を超える物件データとAIをかけ合わせ、“より緻密かつ直感的な投資分析を行える”不動産投資プラットフォームの「Gate.」だ。

記事の前編では「Gate.」を着想した原点、リーウェイズとしての展望、そして起業の背景をうかがった。今回は「Gate.」の概要を振り返りながら、自らのサービスによって変わりゆく不動産投資の未来、さらにはリーウェイズが現在欲しい人物にも話は及んだ。前編に続き、リーウェイズの代表取締役CEOである巻口成憲氏にご登場願った。

名古屋 vs 代々木公園なら、どちらに投資する?

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「Gate.」は膨大なデータと機械学習アルゴリズムの掛け合わせにより、不動産の資産価値の下落や空室率をはじめとするリスク情報を考慮した「全期間利回り」を分析・算出するシステムを持つ。現在は月額利用料2万円のサービスとして提供されている。投資家の視点からみると、購入から売却までの収支をワンクリックでシミュレーションできるだけでなく、気に入った物件があった際は、リーウェイズに属する不動産投資の専門家が売買までをサポートしてくれる。

従来の不動産業界で用いられていた「表面利回り」ではなく、地域や場所ごとにも異なるリスクを考慮した「全期間利回り」を算出することで、投資家はよりフラットな目線で全国規模の物件を比較できる。

たとえば、愛知・名古屋で表面利回り12%の物件に対し、東京・代々木公園で5.6%の物件があったとする。一見は名古屋のほうがパフォーマンスは高そうに見えるが、家賃の下落率などを加味した「Gate.」の分析によれば、最終的な利回りは代々木公園が上回る……といった塩梅だ。このようなデータ分析により、不動産投資のマーケットにおける透明性を高めることで、不動産業者が物件の価値分析を行ったり、投資家が対象物件を見定めたり際に、より効率的な判断ができるよう「Gate.」は存在している。

リーウェイズの狙いは日本を含めた世界中の投資家が「Gate.」を利用することで、「不動産業界のインテル」を目指すことにある。すでに、タイ、ベトナム、フィリピン、アメリカのデータ解析を進めており、今後は「世界中で最もお買い得の不動産」を見つけられるよなプラットフォームにしていきたいと巻口氏は展望を語る。

東京の不動産市場をグローバルへと開放する

そして、今こそ日本の不動産業界は革新を起こす必要性に迫られている。その契機は、2020年の東京オリンピックだ。未成熟な国内市場をアップデートし、グローバルにも開かれた環境を整備することで、大きなビジネスチャンスを生むことが期待できる。

そもそも巻口氏によれば「不動産はすでにグローバルな資産であり、海外投資家が日本の物件を買い、その逆もある。しかし、日本の不動産価格は世界87カ国中49位で、先進国の中で最も安価といわれている」。その理由は2008年に起きた、いわゆる「リーマンショック」に際して世界中の投資マネーが不動産に流れ込んだのだが、日本の金融庁だけは貸出規制を行ったため、不動産の価値が下がってしまったのだという。さらに、過去の事例から見ても「オリンピック開催国の不動産はいずれ価値が上がる」という定説があり、結果として日本の不動産は世界から熱視線を浴びているのだ。

しかしながら、海外投資家にすれば、一口に「東京」といっても街ごとの特長までは把握しきれないのが実状だ。新宿や六本木といった有名エリアはまだしも、神保町や要町といったビジネスエリアの価値を認識するのは難しい。そこで、「Gate.」を用いてデータを比較して分析することで、海外投資家は数字を材料として判断がしやすくなる。巻口氏は「インバウンドを取り込み、GDPを押し上げる寄与になれる。リーウェイズとしても狙っているポジションだ」と息巻く。

また、「Gate.」が広く利用されるようになった未来の展望として、巻口氏が掲げるのは「人工知能×クラウドファンディング」をかけ合わせた小口投資である。「Gate.」が導き出した一流の物件に対して小口投資を募っていき、リーウェイズとしてはアセットマネジメントを得る算段だ。投資家からすれば「利回りが期待できる」と判断された物件に投資できる安心感があるだけでなく、一度の投資金額を少なく始められるメリットもある。

つまり、リーウェイズは日本の不動産市場をよりグローバルに開く役割を担うだけでなく、日本国内においても不動産投資の新しいあり方を先導する可能性を持っているのだ。

リーウェイズが開拓するのは「拡大が約束されたマーケット」

2020年の東京オリンピックが契機になるだけでなく、この5月にGate.の製品版がリリースされたこともあり、リーウェイズとしては業務を拡大するフェーズに差し掛かっているという。巻口氏によれば「人材は新卒/中途に拘らず欲しいと考えている。直近ではサービスの認知拡大をさせていくので、マーケティング的な発想を持つエンジニアをはじめ、営業やマーケティング、事業企画に携われる人材がいれば、ぜひ来てもらいたい」と話す。

リーウェイズの全社員は現在32名で、そのうちエンジニアが11人を占める。CTOを務めるの大塚一輝氏はフランスの国営音響音楽研究所「IRCAM」で周波数とアルゴリズムによる作曲法を研究した後、米国と日本を行き来しながらソフトウェア開発やデザインを手がけてきたという異色の経歴を持つ。現在の「Gate.」に利用している機械学習アルゴリズムも、内製で開発を続けてきたものだ。

巻口氏は共に仕事をする社員に対して、「プロフェッショナルな組織にしたい」という思いを抱く。前編で記したように、リーウェイズは不動産屋を「不動産マン」にバージョンアップする課題意識も持ち合わせている。だからこそ、リーウェイズのカルチャーは「結果」にフォーカスし、社員自らもプロフェッショナルでなければいけないと考えているという。

「プロフェッショナルであるとは、自分で責任が取れるということ。その考えに基づき、社員にも権限や責任を与えるという組織づくりをしている。自由度は高く、自宅勤務をしているスタッフもいるが、なによりも結果を重視する」

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今回のインタビューは巻口氏の言葉の端々から、大きな熱量が感じられる一時だった。「しゃべり始めると9時間くらいは止まらない」という冗談(いや、本気かもしれない)からも、この事業と不動産業界の改革に賭ける意欲を受け取った。

巻口氏に「不動産投資の魅力は何か?」と問うと、「わかりやすい投資であること」と答えが返ってきた。土地と建物があるというリアルな要素、そしてそこに「人がいる」という点ではインフラとしての機能も果たす。つまり、巻口氏の言葉を借りれば、不動産は「常に必要とされている価値」がある投資対象なのである。

「日本の不動産は世界で最も安く、東京オリンピックを迎え、さらには今後は日本各地の相続問題で110兆円にも及ぶ投資不動産が出てくる見込みがある。この拡大が約束された巨大なマーケットに対して、価値の透明性と提案が高まるような状況をつくっていければ、投資のマーケットとしても健全性が高まる。さらに、テクノロジー業界としては、あまり着目されていない分野だからこそ、我々には大きなビジネスチャンスがある」

文・撮影:長谷川賢人

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