juvo

企業/サービス名

Juvo

企業概要

本社:アメリカ・カリフォルニア州・サンフランシスコ
設立:2014年

創業者

Steve Polsky (CEO兼創設者):ペンシルバニア大学ウォートン校でコンピューターサイエンスの学位を取得し、複数のアーリーステージの技術ベンチャーの立ち上げに携わった後、現在に至る。

資金調達

合計調達金額:$54M
直近の調達:$40M Series B 2017/8/1
主な調達先:New Enterprise Associates, Wing Venture Capital, Freestyle Capital, SignalFire

サービス概要

・同社は新興国や開発途上国で携帯電話サービスを提供するモバイル通信キャリアと提携して、プリペイド式携帯電話ユーザーに対して、手数料無料かつ無利子のマイクロローンサービス(超少額融資)を行う。
・新興国、開発途上国の多くの人々は銀行口座を持てないため、彼らが利用する携帯電話サービスは、プリペイド方式(先払い)が主流である (同社は携帯電話ユーザーの80%以上は、プリペイド利用者であるとする)。プリペイドシステムは、ユーザーは先払いした残高が不足になると、トップアップ(追加入金)を行う必要があるが、途上国の人々は資金不足であったり、トップアップが面倒であることなどから、月のうちの数日はサービスを利用できなかったり、複数のプリペイドSIMカードを使いまわして、携帯電話サービスを途切れ途切れで利用している実情がある。このようなユーザーのトップアップに必要な資金ニーズに応えるのが、同社のマイクロ金融サービスである。
・融資に必要な審査は、独自の与信システムによる。同社は、顧客の毎日のスマートフォン利用動向を分析し、ユーザーの返済見込みをスコア化させて、与信を与える(同社はアイデンティティ・スコアリングと呼ぶ)。ユーザーはこのスコアを使って、トップアップに必要な資金融資を借りることができる。
・ユーザーは融資と返済を繰り返すことで、信用力を高めてスコアを増やすことができ、高めたスコアでより多くの融資を受けることができるため、従来持つことができなかった銀行口座を開設したり、事業資金、教育ローン、保険、ヘルスケアなどに必要な資金を借りることができるようになる。

ターゲット

新興国、開発途上国のプリペイド携帯ユーザー

ターゲットの課題

新興国、開発途上国の多くの人々は、銀行口座を保有できないことから、主にプリペイドプランを利用しているが、プリペイドシステムは、残高不足により、利用が中断されてしまうため、追加入金を行う資金力のない多くの人は、携帯電話サービスを利用できない状況が生じてしまう不利益があった。

本サービスが狙った業界

金融業界

発想の転換

これまでは新興国、途上国では、多くの人が銀行口座を持つことができず、金融業界は融資を必要とする人々の返済見込みを把握することが困難であったため、与信を与えることができず、携帯電話料金のような少額の資金すら融資が困難であった。本サービスはモバイル通信キャリアと提携し、ユーザーのスマートフォン利用動向から、返済見込みをスコアリングすることにより、これまで困難であった銀行口座を持たない人々への融資を可能とした。

マネタイズ

通信キャリアとのアライアンスにより生み出した利益を、あらかじめ決めておいた比率で配分するレベニューシェアによる。

類似企業

WeTrust (http://bizna.jp/2017/07/12/wetrust/):以前Biznaで紹介した、ブロックチェーン上に構築された貸出と保険の分散型金融サービスプラットフォーム。Juvoと同様に、銀行の金融機関のサービスが受けられない人々が、融資を受けられる解決法を提供している。

考察

・世界の約20億人の成人は、銀行口座を保有していない(The World Bank 2015)。一方、近年のフィンテックの発展により、新興国、途上国においてもモバイル決済、仮想通貨、ソーシャルレンディングなどの利用が徐々に普及してきており、人々の金融サービスへのアクセスの障壁が下がってきている。
・「Financial Inclusion for All」(全ての人に金融サービスを)を会社のヴィジョンに掲げる同社は新技術により、これまで金融サービスを受けられなかった人々に、融資へのアクセスを提供し(手数料無料、無利子)、グアテマラでサービスをスタートさせた同社は現在、世界25か国で複数の通信キャリアと提携してサービスを提供し、5億人の登録ユーザーを抱えている。
・本サービスは、ユーザーの資金ニーズに応えるとともに、通信キャリアにとっても、大きなメリットをもたらす点が他のフィンテックサービスにはない特徴である。すなわち、従来は断続的に携帯サービスを利用していたユーザーが、このサービスを利用することにより、キャリアのサービスを継続的に利用するようになるため、利用料が増加するとともに、顧客の利用動向を正確にモニタリングすることができるようになる。そして、キャリアは顧客の情報をより多く集められるようになり、より顧客にマッチしたマーケティングを図ることができるようになる。
・通信キャリアがこのようなメリットを享受できるため、Juvoは手数料無料かつ無利子の融資というユーザー無課金のビジネスを行うことが可能となり、「三方よし」(ユーザー、通信キャリア、Juvo)のエコシステムが成立している。先進国では携帯電話サービスはポストペイド(後払い)方式が主流であるため、同じビジネスシステムは適用できないであろうが、モバイル上の行動からユーザーの返済見込みをスコア化する技術は、金融機関が顧客をより正確に把握することを可能にし、従来の融資サービスの仕組みを変える可能性がある。

マーケットアウト度

★★★☆☆

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