inkitt

企業/サービス名

Inkitt

企業概要

本社:ドイツ・ベルリン
設立:2014年

創業者

・Ali Albazaz (CEO): ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学(ボン大学)を卒業後、Demantaの共同創設兼CEOを務めるなどして、現在に至る

資金調達

合計調達金額:$5M
直近の調達:$3.9M Seed 2017/9/25
主な調達先:Earlybird Venture Capital, Speedinvest, Frontline Ventures, Redalpine venture partnersなど

サービス概要

・デジタル本の出版プラットフォーム。まだメインストリームになっていない作家を取り扱う。読者にはFacebookなど個人情報が分かるものでログインしてもらい、その人の特徴や、同サービス内においての読者の行動パターンから、今後のベストセラーを予測するアルゴリズムが同社の特徴である。人気コンテストなども実施
・ベルリンとニューヨークを中心に展開中
・同社は今までにベストセラー予測のアルゴリズムから24冊の本を出版しており、そのうちの22冊はアマゾンにおいてベストセラーを獲得している
・同社は既に45,000名以上の作家、100万人以上の読者を抱えている(https://forbesjapan.com/articles/detail/17944 より引用)

ターゲット

名前の売れていない作家

ターゲットの課題

作家が自身の作品を出版するためには、出版業者の担当者に評価してもらい、かつ一部費用を負担する必要があった

本サービスが狙った業界

出版業界

発想の転換

これまで作家の作品は出版業者によって出版の判断がされていたため、出版したとしてもベストセラーにならないケースが多かった。同サービスによって、作家は顧客である読者に評価され、また同社のアルゴリズムによるお墨付きを受けた後に出版となるので、知名度がなくても作品自体のクオリティが高ければ、高い確率でベストセラー書籍を出版することができるようになった

マネタイズ

不明

競合企業

Chuangshi (Tencent): 同社と同様のサービスを展開する、中国を拠点にした会社。同社のCEOであるAli AlbazazがTech CrunchでChuangshiが競合であると述べており、相違点としてはChuangshiは中国のみの展開であるが、同社は世界的な展開を視野に入れているという点にあるらしい

考察

・日本において、1998年の新刊発行点数は65,513点で販売部数は81,337万冊であり、2008年の新刊発行点数は76,322点で販売部数は75,126万冊である(http://www.1book.co.jp/003191.html より引用)
・2015年度の書籍の売り上げは、前年比4%減の7,544億円であり、ピーク時の1996年と比較すると、約31%の減少である(https://thepage.jp/detail/20150126-00000009-wordleaf より引用)
・出版業界の販売額は「ハリー・ポッター」シリーズなどのメガヒット商品の有無によって大きく変動し、売れ行きが一部のベストセラーに集中する傾向が強い。自己啓発書、生活実用書、児童書などは毎年手堅く売れている(http://www.ajpea.or.jp/statistics/ より引用)
・15〜69歳、男女1200名を対象にした調査によると、日ごろから読書の習慣があると回答した人が50.8%で、そのうち紙媒体で読書をしていると回答した人は93.7%であった。また、電子書籍の存在は知っているが、今後も利用するつもりはないと答えた人はそのうち57%であった(https://www.capa.co.jp/archives/5429 より引用)
・上記をまとめると、新刊発行点数自体は直近10年で約1.1倍、ほぼ同数ということになるが、売り上げは同様の期間で約31%減少している。つまり、ヒット商品の数が減少していると言うことができるだろう。こういった現状において、顧客目線でベストセラーを判断し出版するか否かを決定する同社のサービスはスケールが期待できそうであるが、日本での電子書籍の利用の現状を見ると、同社の事業内容自体がよくても利用者の規模が一部の世代(電子書籍を利用する人)に偏るといった懸念点はある

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