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健保組合を対象とするサービス「MEDICALLY(メディカリー)」。前編では、4つの疾病に特化した遠隔診療システムを活用し、治療から将来の疾病予防までトータルでサポートする同サービスの誕生の背景を中心に伺った。後編では、同社がメディカリーで目指すゴールについて聞いた。

シームレスなデータから、最強の健康プログラムを作る

メディカリーでは、病院で患者に貸し出したウェアラブルデバイスで血圧などの数値を測定するとともに、検診データやレセプトデータ、ちょっと変わったところではモチベーションや潜在能力などの心理的な測定値、現状のライフスタイルなどの直接的に医療には関係のないデータも収集している。

この膨大な量のデータこそが価値なのだと、明石氏は語る。

「今はまだ目新しいので遠隔診療ということに価値をおくユーザーもいるだろうが、今後これが一般化していけば遠隔診療であるだけでは差別化できなくなる。我々にとって遠隔診療はあくまでも受診のハードルを下げるためのツール。受診した生活習慣病患者のデータを集め、そうしたデータの分析結果をもとに、健康を増進し医療費を下げるプログラムをつくることがゴールだ」

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現在、健康や医療にまつわるデータはあちこちの企業・団体にバラバラに存在している。検診データやレセプトデータを集めるサービスはあるが、それらは予防医療のサービスを提供する会社に受け継がれることはない。どんな人がどう生活を変えたら健康になったのか、その結果、医療費がどうなったのか、特定の個人の時系列変化をひとまとまりのデータセットで見ることができないのだ。

メディカリーはそれぞれの患者が最初はどういう状態で、そこから医学的な所見がどう変化し、最終的にどうなったかというところまですべてのデータを集めている。こうしたデータを解析すれば、定量的に生活改善の効果、医療費節減の効果が把握でき、最もコストパフォーマンスのいい健康改善プログラムが分かる。組合員の集合知で、最強の健康の方程式が導き出せるというわけだ。

データベースの価値を高め、治療と健康増進をひと続きに

既に、複数の健康保険組合や企業がメディカリーを導入し、現在までに数百万件のデータが蓄積されてきた。これを解析してみると、やはり医療費に大きな無駄があったという。これからデータが集まっていけば、さらに医療費とプログラムの関連が明確になり、精度がますます磨かれていくだろう。

最近になって一気にデータ数が増えたこともあり、現在、同社ではこうした貴重なデータを解析し、知見を導き出すデータサイエンティストを募集している。

これだけ多くの多変量の時系列データが揃っており、そこから健康プログラムをつくるという仕事は、データ分析のスキルを生かしたいと思う人にはそれだけで興味深いことだろう。だが、この仕事の先にはもっと、広がりがあるのだという。

「私たちが考える医療は従来の医療に比べ、広範囲に及ぶ。もし仮に食事指導の期間中、トクホのお茶を飲んだ人の血圧が中長期的に下がり、医師が必要と判断する薬が減るのなら、。これまで予防は医学的には評価されてこなかったが、従来、直接的には関連性がないと思われていたものが、総合的にデータを分析することで有用だと分かれば、予防に対する医学的な評価も進むかもしれない」

これまで病室のなかで処方薬を使って行われていた医療は、普段の食生活などの非常に身近なところまで広がってくる。お茶が食事指導のアイテムとして重要視されるのであれば、お茶メーカーも動きだすだろう。データ解析の結果次第では医療が変わり、他の産業にさえ影響を及ぼしていく可能性さえあるのだ。

次世代の医療・予防医療のかたちをデザインしていく仕事

スタート時は、実績もない会社が独自に算出した医療費を健康保険組合が払うのか、ここまで先鋭的なサービスを受け容れられるのかと疑問視する人もいたという。しかし、医療サービスの合理化は、一企業としての課題にとどまるものではなく社会全体の課題との強い意志を持ち、ここまで突き進んできた。「誰が何と言おうと社会的にやるべきだし、絶対にやらないといけないことだ」と明石氏の言葉は力強い。

ゆえに、社員に求めることを尋ねてみると、「まず大前提として、メドケアがやろうとしていることに興味を持ってくれること」という。現在、データサイエンティストのほか、エンジニアなど幅広い職種で人材を募集しているが、「会社の目指すゴールへの関心があること」は全社員に共有して期待する条件だ。

「その上で自分なら何ができるかを聞かせてほしい。仲間になってくれる人への期待値は高いと思うが、それをクリアする人には会社も応える」

日本には約1400の健康保険組合がある。目指すは5年以内に90%。それだけの健康保険組合が加入すれば、日本の医療は大きく変わるに違いない。

「先の話にはなると思うが、医療の非合理性は日本に限らない。アメリカも医療コストは高止まりしている。たとえば、喫煙者と非喫煙者で医療費に何%の違いがあるかなどのデータは海外でも有用な情報のはず。いずれ、医療費に削減の余地がある国にも展開していけるのではないか」

目標も期待値も高いが、これほどまで社会に求められている仕事もなかなかないだろう。自分も力になりたいと思われる方はぜひ、恐れず応募してみてほしい。

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