水害が発生した際、家の中に水が入ってくるのを防いでくれるのが土嚢(どのう)です。
土嚢は浸水対策にとても便利ですが、土のう袋に土砂を袋に詰め込む作業が必要になるので作るのが面倒くさいです!
工事現場・建設現場には、土木資材と一緒に置いてあったり。
土嚢を作って常備していますが、自宅だと自分で用意しなくてはいけないのでめんどくさいですよね…。でも街に常設されている土のうは、大雨や台風の前にみんなが使うので一斉になくなってしまいます。
浸水対策として水を入れるだけで土嚢のような効果がある水嚢(すいのう)と呼ばれるものが注目されています。
水のうの中には、水をわざわざ入れておかなくても水に浸すだけでも膨らんでくれる便利な商品まであります。止水効果が土嚢と同程度期待できるアイテムです。
そこで今回は、「土嚢」と「水のう」それぞれの特徴を解説した上で性質に合わせた用途の解説や簡単にできる水のうの作り方などを紹介します。
もくじ
土嚢とは?主な特徴と利用シーン
土嚢とは、土嚢袋(土のう袋)などに土砂が詰め込まれている状態の物を指します。
この土嚢を大量に作り、家の玄関などに積み上げる事で浸水の防止が期待できるので大雨などによる浸水被害のリスクを最小限に予防することができます。
土嚢は非常に頑丈で、外部からの圧力に対して強い耐性を持っていますので災害対策の他にも、建設現場での仮囲いなどさまざまなシーンで利用されます。
土嚢のメリットとデメリット
土嚢は非常に頑丈で、高い重量や外部からの圧力にも耐えることができます。また、土や砂の質量が大きいため、風や水流による動きに強いという面も大きなメリットです。
使用した後は、自然に還元されるため環境に対する影響が少ない環境に優しいアイテムです。
一方で、土嚢は浸水から家を守る場合には必要不可欠なものとなっていますが、各家庭で土嚢を一から作って用意するのは容易ではありません。
例えば、土嚢を作るには大量の土砂が必要になりますが、都市部では特に必要量の土砂を確保するのも難しいからです。
そして土嚢は土砂をスコップなどで詰め込んでいく作業が必要になるため、一つの土嚢を作るだけでも時間がかかるので、短時間で大量の土嚢を作るのはそれなりの人手が必要になります。
自治体の中には災害時に誰でも自由に利用できるように道端に土嚢が準備されていますが、数に限りがあるので全ての人が利用できるわけではありません。
そのため各家庭ごとで土嚢を準備するのはそれ相応の手間や時間がかかると思います。
水のうとは?主な特徴と利用シーン
水のうは、袋状の容器に水を入れて使うもので、主に災害時などに一時的な仮設の堤防やバリケードとして利用されます。短時間で簡単に作成できることから、急な水害などの際に役立つアイテムとして注目されています。
使用前は袋だけなので非常に軽く、運搬や保管が容易にでき 必要な時に水を入れるだけで利用できます。また変形可能で水を入れる量や形状を調整することで、さまざまな場所や形にフィットする特徴があります。
誰でも素早く簡単にできる!水のうは便利
用意するためにある程度の時間や人手が必要な土嚢に比べて、おすすめなのが比較的簡単に用意する事ができる水のうです。
水のうは土嚢と同じく、水害で水が家の中に入りそうになった場合や水の溜まりやすい場所に、浸水を防ぐために使われるものです。
土嚢との大きな違いは、土砂ではなく水を袋に詰め込むという点。
水のうは水を入れるだけで作る事ができるので、素早く簡単に準備できるのがメリットです。
また作るのに人手も必要なく、短時間で沢山の水のうを作る事も可能な他、重い土砂を持ち運ぶという事もないので、女性の方でも準備しやすいです。
さらに水のうは水道水はもちろん、川や池の水、風呂の残り湯など、どんな水を使っても作れるのも大きな魅力。
他にも水のうの場合、使用した後は中の水を抜き、布袋を乾燥させれば、折りたたんで収納しておく事もできるので、使用後の後片付けも簡単にできます。
水のうの中には水に濡らすだけでできるものもある!
袋の中に水を入れるタイプが主流ですが…、水のうの中には水に濡らすだけで膨らむタイプの水のうもあります。
災害の時も並べておけるので手間いらず。
収納スペースもいらないので土嚢作るのが面倒な方はぜひ使ってくださいね!
水のうは便利!だけど使用に当たっての注意点はないの?
水のうはその利便性から多くの場所で使われますが、適切に使用するためにはいくつかの注意点があります。
水のうは保存や運搬が容易なため災害時に活用されますが、必要な水量を正確に評価することが重要です。水量が少なすぎると軽く、風や水圧で移動してしまう可能性があります。また、水量が多すぎると重くなりすぎて移動や積み重ねが困難になる場合もあります。
また、耐久性を確認しておくことも重要です。経年劣化やダメージにより破れやすくなっている場合があります。また、積み重ねる際には水嚢が破れないよう、鋭利なものから離すなどの工夫が必要です。さらに、水嚢は一時的な対策であり長期間の使用には向いていません。時間が経つと水分が蒸発するなどして効果が減少してしまうからです。
水嚢は適切に使用することで水害での浸水対策として非常に有用なツールとなります。しかし、デメリットや使用上の注意点を理解して効果的な使用法を考えることが重要です。
ゴミ袋からでも水のうは作れる!
土嚢は土砂を入れるので、ある程度の丈夫な布製の袋や麻袋が必要になりますが、水のうは水を入れるだけで作る事ができるので、あまり入れ物にこだわる必要はなくDIYすることができます。
例えばゴミ袋でも水のうを簡単に作る事は可能で、大きめのゴミ袋を数枚重ねてその中に水を入れるだけで完成となります。
また強度を高めたいのであれば、ゴミ袋で作った水のうを段ボールに入れることで外傷を防ぐことができます。
豪雨が毎年発生する地域・場所に住んでいる場合は、ホームセンターなどで土嚢袋・水のう袋を購入できるので、水のうをDIYするよりも購入した方がおすすめです。
土嚢と水のう、どちらを選ぶべき?
災害時や建設現場などでのバリケードの作成には、土嚢と水のうを使うことが一般的に多いです。しかし、土嚢と水のうはそれぞれ異なる特徴と利点を持っているため、どちらを使用するかはシチュエーションによって変わっていきます。どちらを選ぶべきかのポイントを解説しますので施設や住居の水害対策で使う際の参考にして下さい。
用途や状況に応じた選択のポイント
持ち運びや設置のしやすさ・保管場所が限られている場所では水のうがおすすめ!
緊急性が高く、迅速な設置が求められる場合や人手が限られているシチュエーションでは、水を入れるだけで即座に利用できる「水のう」がおすすめです。
また、未使用時の水のうは非常にコンパクトに保管でき、必要な時に水を入れることで即座に使用できるため、スペースの制約がある場合や準備の手間を省きたい場合には「水のう」が有効です。
長期的に使用する場所では土嚢がおすすめ!
土嚢は水や風の影響を受けにくく、長期間にわたる使用や外部からの衝撃にも強いため、耐久性が求められる場合には「土嚢」が適しています。土嚢は袋から出せば自然に還元されるため、土を使う場所では使わなくなったら環境へ戻せるのでエコの考えでは土嚢の方がいいでしょう。
また、 一度購入すれば繰り返し使用できる点や、地域によっては自然の土で詰めることが可能な土嚢は、長期的な視点ではコストを抑えることができます。
保管場所を考えるとすぐに水害に備えられる「水のう」はとても便利
水害時には重宝される土嚢ですが、土嚢を作る際は土砂を使う必要があるため、人手や時間がどうしても必要になってきます。
一方、水のうは水さえあれば誰でも簡単に作れるのでとても便利です!
使用後は乾かせば再利用でき、収納もしやすいので短時間で水害に備えたいという方にとっては水のうはとても便利。
最近では、台風・ゲリラ豪雨・線状降水帯など様々な名前で大雨が降ります。
日本では水害はどの地域でも起こりうる災害です。防災アイテムの1つとしてぜひ「水のう」を活用してください。