熱中症は、体温調節がうまくできなくなり体温が高くなりすぎてしまう症状です。
脱水や高体温状態が続くことが原因のひとつであり、体温を効率的に下げることが熱中症予防・熱中症緩和のための処置となります。
そこでこの記事は、効率よく体温を下げるために、首回りを冷やす方法をご紹介します。
コロナ禍も開けて日本では様々なコンサートやレジャーイベントが再開されています。会場に足を運ばれていたり、野外で遊ぶ際には熱中症になる可能性が高くなりますのでぜひこの記事を参考に対策をしてください。
もくじ
熱中症の原因と予防策の理解をしよう!
熱中症は、体温調節機能がうまく働かず、体温が上昇することにより起こる症状の一つです。通常、私たち人間は体の熱を発散させることで体温を一定に保つ機能を持っていますが、環境が高温・高湿度であったり、激しい運動を行ったりした場合に体温調節が追いつかず、体内の熱が蓄積されます。これが熱中症の主な原因とされています。
熱中症の発症には、以下のような要因が考えられます:
- 高温・高湿度の環境下での運動や作業
- 水分補給や休憩が不足している状況
- 適切な服装ができていない場合(暑さ対策が十分でない場合など)
- 体調不良や疾患(心疾患や肥満など)により、体温調節機能が低下している場合
熱中症の予防のための基本的な行動
熱中症は事前の予防が最も重要です。以下に具体的な予防策をご紹介します。
適切な水分補給と休憩をとる
長時間の作業や運動をする際は、こまめに水分を補給し、適度に休憩を取ることが重要です。特に暑い日や高湿度の日には、無理をせず、頻繁に休憩を取るようにしましょう。
適切な服装で行動する
環境の温度に合わせて、薄着になる、通気性の良い服を着る、帽子を被るなど、適切な服装を心がけましょう。夏の現場では空調服を着用するなどの対策が必要です。
首回りを冷やす
首は大動脈が通っているため、体温調節に非常に影響力があります。首周りを冷やすことで、体全体の体温を下げる効果があります。ハンカチやタオルを冷水で濡らして首に巻く、冷却パッドを利用する、首掛け扇風機を使用するなどの方法があります。
環境の温度と湿度を知ること
屋内で作業する場合は、エアコンを適度に利用すること。扇風機を使って風通しを良くしたりすることも効果的。
屋外で作業する時は、暑さ指数なども参考に熱中症のリスクを理解しておくことが重要です。
効率よく体温を下げられる場所のひとつが「首」だから熱中症対策に効果的!
人体のなかで、太い血管が肌の近くを通っている場所があります。
それは、
- 太ももの付け根の内側(鼠径部)
- 脇の下
- 首
の3ヶ所です。
大きな血管を冷やすことで、全身を効率的にクールダウンすることができるため、体温を下げるためにはこれらの部位を重点的に冷やすことが重要となります。
ただし、作業着を着た状態では、太ももの付け根や脇の下を冷やすのは難しいと言えるでしょう。
首周りを効率よく冷やす3つの方法
首周りを効率的に冷やすためには、直接冷たいものを触れさせる方法と、涼しい風を送る方法が考えられます。
濡らしたタオルを首に巻く
水で濡らしたタオルを首に巻くと、水が蒸発する際の気化熱で首周りの温度が下がります。また、氷水で絞っておけばタオル自体に熱が吸われて体温が下がります。
これらを利用することで、首周りの温度を下げ、さらに体温も一気に下げやすくなるのです。
ただし、作業中は『濡らしたタオルを首に巻く』という行動自体ができない場合もあります。
絞りが甘ければ作業着が濡れてしまいますし、固く絞りすぎると冷却効果も得られなくなってしまいます。
そのため、この方法は日常生活レベルでは充分に役立ちますが、業務中は難しいかもしれません。
代わりに、作業中には凍らせた専用の冷却剤などを首に巻いておくことで、首元を冷やすことが可能になります。
冷却パッドを首にあてる
電源を入れると金属板が冷たくなる専用の冷却器具を肌に当てることで、直接首回りの体温を下げる方法です。
冷却パッドによる冷却効果と持続時間はマシンパワーに依存します。
あらかじめ作業着の内側にセットしておいて、暑くなってきた段階でスイッチを入れることで、体温を下げることが期待できます。
冷却効率が良いことはもちろんのこと、本体のサイズはなるべく小さく、バッテリーが重すぎないものを選ぶことが重要です。
冷却ファンで首を冷やす
首の周りに風を送る装置を付けることで汗を揮発させ、体温を下げる方法です。こちらも冷却効果と持続時間はマシンパワーに依存します。
羽根が付いているタイプと、羽根の無いタイプに分かれますが、羽がすぐ見えるところで回転しているようなアイテムは、衣服や髪などの巻き込みの危険がありますので、注意が必要です。
また、こちらも本体サイズはなるべく小さく、バッテリーは重すぎないものを選ぶようにしましょう。
首周りを効率的に冷やすアイテム8選
それでは、首周りを効率的に冷やすためのアイテムを8つご紹介します。作業場の環境にあったアイテムを選んでみて下さい。
【ミドリ安全】くるっとクール
三日月型の冷却剤です。あらかじめ凍らせておき、首回りにかけて使います。
首以外にも、脇の下や鼠径部に挟み込んで使うこともできるため、作業時に首にかけて体温を下げるという用途以外にも、熱中症患者の体温を一気に下げるために使うこともできます。
【ミドリ安全】マジクール
首周りに巻いて繰り返し使うことができるアイテムです。暑い時期に作業用として使うことがおすすめです。
首を効率的に冷やすことができて経済的なのでおすすめです。
【ミドリ安全】ひえひえリラックス
マフラーのようにぐるりと首の周りに巻いて使うアイテムです。中に入れる冷却剤は3分割されており、首にかけた際に密着度合いが低下しないように設計されています。
【アイスノン】首もとひんやり氷結ベルト
冷却剤のブランドとして名高い『アイスノン』の首回り冷却剤です。冷凍しておき、専用のカバーに入れて首に巻き付けて使うアイテムになります。
予備の冷却材もセットでもうひとつ入っているため、2つを連続使用することでより長い時間の冷却効果が得られます。
【THANKO】ネッククーラーEvo
バッテリー駆動の冷却器です。内側についた金属板は、接触すると外気温から最大で15度温度を下げることができます。
防水防塵機能はIP33であり、弱めの雨や汗であれば問題なく使用が可能です。L字型のUSB Type-Cケーブルでバッテリーと結合して使います。
【Feitoo】首掛け扇風機羽根なし
首にかけ、風を送ることで首周りを冷やすためのアイテムです。ファンレスデザインのため安全性は高く、3段階の風速調整も便利です。
フルで充電しておけば6時間の連続使用が可能なので、休憩時間に追加で充電することで1日通しての使用も可能になります。
【Joyhouse】首掛け扇風機
首掛けタイプの扇風機は「首の後ろ側が冷やしにくい」という難点がありますが、このアイテムはその部分に金属の冷却板があるため、より効果的に首回りを冷やすことができます。
約3時間充電すると、連続で8~18時間程度の稼働が可能です。ファンの角度を変えられるため、首にフィットしやすく、期待する位置に風を送ることができます。
【ALLIBIG】首掛け扇風機
こちらのアイテムも、首の後ろ側に接触する部分に金属の冷却板が付いていることで、装着時により首元を効率的に冷やす効果が期待できます。
約100分程度の充電時間で、4~8時間の連続稼働が可能です。
作業着に合わせたサイズ感の保冷アイテムを選ぼう
冷却剤を首元に巻くことによって体温を下げる方法は、シンプルですが効果的です。
冷却剤が溶けるまでの時間は高い冷却効果が持続するため、朝一番から暑いことが予想されるときなどには特に活躍するでしょう。
電気式の冷却器や扇風機も効果は高いのですが、冷却剤に比べるとサイズが大きくなりやすいため、作業の邪魔になる可能性もあります。
なるべく小型で、かつパワフルなものを選ぶことがポイントです。
熱中症対策用品を探している方は、ぜひ作業服メーカーさんなどの特集ページを参考にしてください。