暑さ指数(WBGT)ってご存知ですか?
暑さ指数(WBGT)とは、「Wet Bulb Globe Temperature」のこと、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された暑さの指標のことです。
2023年も猛暑のため例年よりも熱中症患者が増えると予想されています。
実際、今年は梅雨でも気温や湿度が異常に高いので例年よりも熱中症になる人が多いです。
現場で働くときや子供を外で遊ばせるときの指標になるので、ぜひ「暑さ指数(WBGT)」を知っておきましょう!
もくじ
暑さ指数(WBGT)とは?
暑い日に、熱中症が多いのは現場仕事をしている方なら理解できますね。
毎年たくさんの人が熱中症で病院搬送されますが、今年は新型コロナの影響で医療崩壊していたり。病院内でも感染リスクがあるので、出来るだけ熱中症にならないように一人一人が注意する必要しましょう。
熱中症は、気温が高いから起きると思っている方が多いですが。
実は熱中症と相関している指数は気温ではなくて「暑さ指数(WBGT)」が大きいとされています。
工事現場では、暑さ指数(WBGT)を取り入れているところがありますが、意味がわからない人もいると思いますので説明します。
暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)とは、人間の熱バランスに影響の大きい
- 気温
- 湿度
- 輻射熱(ふくしゃねつ)
3つを取り入れた温度の指標のことです。
湿度がかなり重要な数字だということがわかります。
暑さ指数(WBGT)は湿度が重要なファクター
夏は、暑さだけではなく湿度もかなり高いです。
暑さ指数(WBGT)の指標で一番重要なのは湿度。
暑さ指数(WBGT)=気温(1):湿度(7):輻射熱(2)で算出されます。湿度の重要度がかなり高い!
その理由は、湿度が高いと汗が蒸発しないから。
汗をかいて蒸発した時の気加熱で体温調節をしていますが、湿度が高すぎるとその機能が上手くいかなくなるのです。
現場では、30℃を超える真夏日や猛暑日は危険なので、休憩をたくさん取るようにしているところが多いですが。
湿度が高い日は、夏日(25℃)くらいでも湿度が高い日は、暑さ指数(WBGT)は高いので危険ということです!
暑さ指数(WBGT)がどのくらいだと危ないの?
暑さ指数(WBGT)と熱中症には相関性があるとされています。
実際にどのくらいになると、熱中症が懸念されるのかというと、WBGTが28℃になると熱中症患者発生率が急増すると言われています。
出典:環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数(WBGT)について学ぼう
東京都では毎年一万人近く熱中症で救急搬送されていますので、熱中症は誰でも注意するべきことです。
健康な人でも暑さ指数によって引き起こされる熱中症は身近で怖い存在なんです。
環境省熱中症予防情報サイトには、暑さ指数と熱中症予防運動指針が示されているので、参考にしてみてください!
暑さ指数(WBGT)ってどうやったらわかるの?
暑さ指数(WBGT)の計算式は、
WBGT=0.7×Tw+0.2×Tg+0.1×Ta
計算式もかなり複雑で意味を理解するのは難しいですね。
そして測定をするのには、かなり複雑な測定装置が必要なので温度計を使ってすぐわかる気温みたいに簡単に測れません!
素人に暑さ指数を出すのはほとんど無理なので、暑さ指数(WBGT)の予報をしてくれている環境省熱中症予防情報サイトで確認しましょう。
地域の数字ですが、無料ですぐ調べることができます。
予報なので、正確な情報ではない点には気をつけてください。あくまで参考程度に見るようにしましょう。
ちなみに値段は高いですが、実測したい方はミドリ安全さんでWBGTの測定器が販売されていました。
個人で購入は難しいと思いますので、現場監督さんや親方さんは購入して使ってみてもいいかもしれません。日頃から計測して記録しておけば何かあったときの保険になります。
暑さ指数(WBGT)の具体的な熱中症予防方法は?
「暑さ指数」(WBGT)は、我々が感じる暑さをより正確に表す指標です。その値を正しく理解し、それに基づく対策を講じることで、熱中症の予防につながります。WBGTの値に応じた水分補給の方法や高温・高湿度時の適切な服装について紹介します。
WBGTの値に応じた適切な水分補給の方法は?
WBGTの値が高い場合には体は汗を大量にかき、水分と電解質が大量に失われます。なので適切な水分補給が重要です。
- WBGTが28℃未満の場合
こまめに水分補給を行いましょう。特に運動や労働を行っている場合は最低でも1時間ごとに水分補給をしましょう。 - WBGTが28℃以上の場合
この範囲は、熱中症のリスクが非常に高まります。通常よりも頻繁に水分補給を行い、必要ならば塩分も一緒に補給しましょう。スポーツドリンクなどもおすすめです。
注意点として、冷たい飲み物の摂取は体温調節に有効ですが、胃腸が縮まり水分吸収が悪くなることがあるので注意しましょう。
高温・高湿度時の適切な服装について
薄いく通気性の良い服を着ることがおすすめです。
また帽子や日傘を利用すると直射日光から頭部を守ることができるのでおすすめです。
現場で働く場合は、空調服などの熱中症対策アイテムを使うようにしましょう!
暑さ指数(WBGT)が高くても働かないといけない・外出する時の注意点!
暑さ指数(WBGT)が31℃以上の時は危険なので働かない(外出しない)ことが推奨されますが。
そんなことも言ってられず。働かないといけないことも多いと思います!
だからこそ、徹底した熱中症対策をしましょう。
- 日陰で作業する
- 水分・塩分補給は徹底する
- 熱中症対策グッズを使う
熱中症対策の基本ですが、暑さ指数が高いということは人間の暑さ対策である汗を上手くかくことができない状況です。
空調服を着用するなど暑いときの基本を守って行動しましょう。
特に現場の責任者さんは、従業員さんの命に関わることなのでもう一度確認しておいてください!
梅雨型熱中症も流行っているので6月7月は要注意
本格的に暑くなってくる7月後半前でも熱中症対策は欠かせません。
例年6月から始まる梅雨の時期には、気温がさほど高くなくても湿度が高いので熱中症のリスクが高まると言われています。
「梅雨型熱中症」とは、暑さに慣れていない時期に、日常生活のなかで自分で気がつかないうちに脱水症状と体温の上昇が進んでしまうのが特徴で、梅雨の時期に重なることからこう呼ばれています。
気温が高く体温が熱くなってくると人間は汗をかいて体の熱を逃がそうとしますが、湿度が高いと汗が上手く蒸発しないため体温を下げにくくなりますので梅雨の時期は要注意です。
梅雨の時期から暑さ指数(WBGT)を確認して、対策を行うようにしましょう。
暑さ指数(WBGT)を知って徹底的に熱中症対策をしよう!
毎年忘れてしまうことですが、熱中症はかなり怖いです。
2018年のデータですが、熱中症で救急搬送された人は、全国で71,266人。 このうち、初診時に死亡が確認された人は138人(0.2%)。
熱中症で倒れて病院にいく前に100人以上の人が死亡しています。
現場で働いている職人さん達は体力があるので、俺は大丈夫と思われている方も多いですが。
- 屋外での長時間作業
- 下痢やインフルエンザなどの脱水症状
- 二日酔いや寝不足の体調不良
で熱中症にかかる確率がかなり上がります。
夏はお酒が美味しい季節なので仕事のストレスで深酒をしてしまうと、熱中症になってしまう確率も上がるので気をつけましょう。
ぜひ、暑さ指数(WBGT)を知って。熱中症対策をして夏を乗り越えていきましょう!
コロナ自粛で家に長いこといた人は、体が気温に慣れていかないので無理をしないようにしてください。
夏の現場で必需品となる空調服についての記事も参考にしてください。