2023年4月から全国で自転車に乗るときにヘルメットを被ることが努力義務化されます。
今まで道路交通法で「13歳未満の子どもにヘルメットをかぶらせるよう務めなければならない」とされていましたが令和5年4月1日から法改正があり「自転車に乗るすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならない」と変更になります。
基本的に努力義務なので、ヘルメットをかぶらなくても罰則はありませんが、事故にあった際にヘルメットをかぶっている人の方が致死率が低いデータがあります。
この記事では、自転車ヘルメットの努力義務化の背景やおすすめのヘルメットなどを紹介します。
もくじ
自転車ヘルメットの努力義務化の背景は?
2023年4月から自転車に乗車する際にヘルメットを被ることが努力義務化となりますが、その背景は自転車関連の事故での致命傷の割合が一番大きいのが頭部だからです。
警察庁の調査によると、2017~2021年までの5年間に起きた自転車事故の死者2,145人のうち、自転車乗用時の交通事故で亡くなられた方の約6割が頭部に致命傷を負っており、他の部位を大きく上回っています。
自転車は乗り方によってかなりのスピードが出るのでヘルメットを正しく着用することで事故にあった際に致命傷を回避するために必要な措置なのかもしれません。
自治体によって自転車が関与する事故の件数は、増加傾向だったり減少傾向だったりしますが、東京都では自転車関連事故の割合は増加傾向にあります。
自転車事故による致命傷が最も多い頭部への損傷を軽減するために、自転車ヘルメットが年齢関係なく着用努力義務になるということです。
外国の事例や法制度の影響も
自転車ヘルメットの努力義務化は、海外でも広く行われています。
たとえば、オーストラリアやニュージーランドでは、自転車ヘルメットの着用が法律で義務付けられています。このような海外の事例や法制度の影響を受けて、日本でも自転車ヘルメットの努力義務化が始まるのかもしれません。
自転車ヘルメット努力義務化のメリット
自転車に乗るときにヘルメットを着用したからといって、すべての外傷を防げる訳ではないですが死亡事故の多くの割合を占める頭部への外傷を軽減するという意味では事故の被害を軽減することが期待できます。
さらにヘルメットの着用が当たり前に普及すれば、
- 自転車に乗る際の安全意識の向上
- 道路交通法の明確化
など、自転車を乗るときのマナーや交通ルールを守る人が増えることも期待できます。
自治体によっては、ヘルメットの努力義務化+自転車の「損害賠償保険」への加入を条例で制定しているところもあります。
乗車用ヘルメットの着用(第11条)及びその促進(第12条第2項、第3項)、自転車損害賠償責任保険等への加入(第13条)及びその促進(第14条第2項、第3項)は、2021年10月1日に施行します。
自転車ヘルメット努力義務化のデメリット
命を守る上では、メリットが多い自転車ヘルメットですが生活する上ではデメリットもあります。
まず自転車ヘルメットを着用することが努力義務化されると、自転車利用者はヘルメットを自費で用意する必要があります。さらに、かさばるヘルメットを持ち歩くor保管しておく手間があります。ヘルメットもそこそこいい値段なので盗難されるとかなりきついです。とはいっても都内などで、自宅から自転車で駅まで通勤・通学する場合に満員電車でヘルメットを持ち運ぶのはかなりしんどいのです。
さらに、着用している人や努力義務を絶対に守るべきと考える人も出現するのでコロナでのマスク着用の時のように、「ヘルメット警察」が出現しそうです。
ツイッターでもそんな声が投稿されています。
マスク警察
4月からヘルメット警察に転職か— おーたゆーき (@yuki_oota090526) March 13, 2023
反ヘル😂😂😂
言いにくいww
4月できっとヘルメット警察も出てくるでしょう🥺w— マリーの食卓🍒 (@monsternoshiipo) March 13, 2023
こういった背景から自転車ヘルメットの着用が努力義務化されると、ヘルメットを着用することが嫌な方、面倒な方は自転車利用をしなくなるかもしれません。
自転車用ヘルメットに規格はあるの?安全な選び方は?
安全のために着用するヘルメットですが、ヘルメットには安全基準があってそれぞれに適合した「規格」があるのはご存知ですか?
代表的な自転車ヘルメットの規格はこちらです。
- SGマーク
- CPSC規格
- CEマーク
他にも様々な規格がありますが、迷ったら中学校のヘルメットなどで採用されることが多い日本発祥のSG規格のものを選ぶのがおすすめです。
規格を確認したら、サイズを確認して実際に着用してみましょう。
ヘルメットによってはベンチレーション(通気穴)があるものがあります。長時間着用する際には汗を発散してくれるので便利です。
工事現場・建設現場の作業用ヘルメットはメーカーが推奨していない
ちなみに、工事現場や建設現場で着用する産業用ヘルメットや防災用ヘルメットは自転車用のヘルメットには不向きです。
理由はそれぞれ異なる目的に合わせて設計されているからです。
産業用ヘルメットは、高所作業や建設現場などでの安全を確保するために、頭部を保護することが主な目的です。一方、自転車用ヘルメットは、自転車事故による頭部への衝撃を吸収することが主な目的です。
そのため、産業用ヘルメットを自転車用ヘルメットとして使用する場合には、十分な安全性を確保することができません。メーカーも推奨していないので分けて使うようにしましょう。
おすすめの自転車用ヘルメット3選
自転車のヘルメットはおしゃれでかっこいいものが多いです。
有名なメーカーを3つ紹介しますので、これから購入される方はぜひ参考にしてください。
OGK KABUTO(オージーケー カブト)
自転車用品展などでも人気のヘルメットメーカーです。
デザインがおしゃれでかっこいいだけではなく、フィット感の調節が簡単にできるのも特徴です。都会的なデザインの自転車ヘルメットを探している方におすすめです。
BELL(ベル)
エレガントなデザインで高スペックなヘルメットを探している方におすすめのメーカーです。海外メーカーなので、日本人の頭に合わない可能性があるので試着してからの購入がおすすめです。
KASK(カスク)
軽量性に優れたヘルメットが多いので、持ち運びもしやすいです。安全性能についてもテクノロジーを駆使しているのでおしゃれで実用的なヘルメットを探している方におすすめです。
自転車に乗る方は安全のためにヘルメットを準備しよう
令和5年から始まるヘルメット着用努力義務化について紹介しました。
以前から13歳以下の子供にはヘルメットを装着させている方がほとんどでしたが、これからは大人も着用する努力義務が生じます。
今のところは、「努力義務」なので罰則はありませんが、自分の命を守るために交通ルールを見直すいい機会かもしれません。
最近は、バイザーが一体だったり、見た目が帽子のようなおしゃれなヘルメットが増えてきているので、購入される方はお気に入りのヘルメットを探してみてください。