倉庫業務の仕事内容|必要な技能・資格やメリット・デメリット

倉庫業務の仕事内容|必要な技能・資格やメリット・デメリット

求人などで見かけることのある「倉庫業務」という仕事ですが、具体的にはどんな仕事を指しているのか、文字を見ただけではイメージしにくいという人もいるでしょう。この記事では、倉庫業務とはどんなことをするのか、また倉庫業務に必要な技能、倉庫業務のメリット・デメリットを解説していきます。

倉庫業務の基本

倉庫業務の基本

倉庫業務は、一言でいうと「倉庫に荷物を入れる、倉庫の荷物を管理する、倉庫から荷物を出す」ということをする仕事になります。

物流においては、原材料や製品を倉庫に一時的に保管しておく必要があり、倉庫業務はこれらの出入りを管理する仕事です。

そのほかに、倉庫に入ってきた荷物を仕分けしたり、必要な開梱・梱包作業などを伴うこともあります。

倉庫業務であると有利な技能・資格

倉庫業務であると有利な技能・資格

倉庫業務ではいくつかの資格を持っていると仕事上で便利です。

職場によっては必須とされているところもありますので、倉庫業務に就こうと考えている場合は、事前に確認して必要な資格を取得しておくことが望ましいでしょう。

一般的に倉庫業務に転職・就職するのに有利な資格を紹介します。

【国家資格】フォークリフト運転技能者

フォークリフトを操作するためには、大型特殊自動車免許(大特免許)フォークリフト運転技能講習修了証(フォークリフト免許)が必要になります。

これらは多くの人が取得している普通自動車運転免許とは異なる種類の自動車免許です。
大特免許の取得は、改めて自動車学校に通うなどする必要があります。

また、フォークリフト免許は大特免許を取得したうえで、コマツやコベルコなど建設機の教習を行っているセンターでの座学講習・実技講習を経て、免状を取得しなくてはいけません。

倉庫内での荷物の出し入れはフォークリフトで行うことが一般的ですので、多くの倉庫業務で求められる技能と言って良いでしょう。

フォークリフトの免許

大特免許を自動車学校で取得するためには、技能研修6時間、卒業検定1時間、教習料10万円程度が必要となります(普通自動車免許を取得している場合)。

また、フォークリフト免許を取得するためには、35時間程度の教習と5万円程度の受講料が必要です。

企業によっては取得費用を負担してくれることもあるので、免状を持っていない人は企業に相談してみましょう。

【国家資格】運行管理者(貨物)

運行管理者は「貨物」「旅客」の2区分がある国家資格です。このうち倉庫業務であると有利になると考えられるのは「貨物」の運行管理者資格です。

運行管理者(貨物)は、貨物輸送の安全について指導・監督ができるという資格で、トラックへの過積載を防止するための措置をとるなどの業務ができるようになります。

企業の形態によっては、荷物の積み込みの際に有資格者が必要となるため、求められることもある資格です。

実務経験1年以上、もしくは所定の基礎講習を修了(修了見込)の場合のみ受験できる試験で、受験料は7,000円弱で、合格率は3割程度です。

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【国家資格】危険物取扱者

ガソリンや灯油、金属ナトリウムなど、発火の恐れがある物質を扱う場合に必要になるのが、危険物取扱者の資格です。

この資格には甲種、乙種(第1類〜第6類)、丙種の8種類があり、それぞれの資格によってできることが異なります。

ガソリンなどの引火しやすい液体を扱う場合は甲種、もしくは乙種4類の資格があればOKです。

甲種の取得には「大学などで化学に関する授業科目を15単位以上修了していること」や「乙種危険物取扱者免状交付後、2年以上の実務経験があること」などの受験資格が課せられています。

一方、乙種・丙種は誰でも受験できるため、敷居は低めです。

受験料は甲種6,600円、乙種4,600円、丙種3,700円です。

危険物取扱者の難易度はどのくらい?独学で試験に合格するための勉強方法!

扱う危険物の範囲が決まっている場合は、学習範囲が狭くて済む乙種を取得するのがおすすめです。

【国家資格】倉庫管理主任者

倉庫管理主任者は、倉庫の円滑な運用を行う責任者になれる資格です。

荷物の引受・払出の管理はもちろん、倉庫での災害防止にかかわる管理業務や、倉庫業務を円滑に行うために従業員への研修を行うことなどができます。

倉庫管理主任者の資格取得のためには、実務経験、もしくは講習受講が必要です。

3年以上の倉庫業務での実務経験と、2年以上の指導・監督者としての経験が必要となりますが、この場合はすでに勤めている企業で内部的に責任者となる場合がほとんどでしょう。

就職・転職のために準備するのであれば、講習受講によって資格取得することになります。

講習会は全国各地で開かれており、自主的に参加するのであれば12,000円前後の受講料が必要です。

5時間程度の座学を受けることで、倉庫管理主任者となることができます。

【公的資格】ロジスティクスオペレーション

ロジスティックオペレーションは、中央職業能力開発協会が主催する公的な資格です。

包装・荷役・マテリアルハンドリング(原料・仕掛品・完成品などすべてのものの移動にかかわる取扱)・保管、輸送配送のシステム、国際輸送、物流センター計画・管理・運営などが試験内容です。

ロジスティックオペレーションには3級と2級があり、3級は実務経験3年程度相当、2級は実務経験5年程度相当です。

受験料はそれぞれ3級6,200円、2級7,700円で、それぞれ合格率は50%程度です。

【公的資格】ロジスティクス管理

ロジスティクス管理も、中央職業能力開発協会が主催する公的な資格です。

物流の概念と物流管理、在庫管理、物流システム管理、物流コスト管理、物流情報システムなどを理解しておく必要があります。

こちらも3級・2級があり、ロジスティクスオペレーションと同程度の実務相当、受験料もロジスティクスオペレーションと同様となります。

倉庫業務のメリット・デメリット

倉庫業務のメリット・デメリット

倉庫業務の担当者として働くことのメリット・デメリットについてご紹介します。

【メリット1】未経験歓迎が多い

オンラインショッピングの隆盛などが後押しとなり、倉庫業務で人手が足りていない状態になっている企業が多くあります。

その場合、求人のハードルが下がり、未経験者歓迎となることも多いです。

こうした企業では、実践で使える資格がなくても採用してもらえる可能性が高いという点もメリットです。

【メリット2】集中力を活かせる

倉庫業務は、指示を受けたらあとは黙々と荷物をさばいていく仕事が中心となります。

そのため、大勢の人と喋って連携を取りながら行うような仕事よりは、一人でより正確に業務をこなしていくような仕事のほうが向いている人におすすめです。

【メリット3】日勤・夜勤が選べるケースも

企業によっては、倉庫を24時間稼働させているところもあります。

24時間動いている倉庫であれば、日勤と夜勤から、好きな時間帯を選んで仕事を続けられる場合があります。

個々の企業によって状況は異なりますので、就職希望先に確認しておく必要があるでしょう。

【デメリット1】体力勝負

倉庫業務では、フォークリフトでの荷運び以外にも、荷物の個数管理なども行う必要があります。

また、梱包作業など大きな荷物を直接操作するような仕事も含まれます。

倉庫で扱っている商品にもよりますが、8時間の立ち仕事に耐えられる程度の体力は必要です。

【デメリット2】フォークリフト資格はほぼ必須

倉庫業務で荷物を出し入れするのであれば、フォークリフトの免許が必須です。

そのため、倉庫業務の求人ではフォークリフト免許を持っている人を優遇しているケースが多くみられます。

免許未取得のまま就職できたとしても、免許取得のために教習所に通わなくてはいけなくなる可能性は考えておいたほうが良いでしょう。

正社員・派遣・アルバイトとさまざまな形態があるのも魅力

正社員・派遣・アルバイトとさまざまな形態があるのも魅力

倉庫業務は、正社員として企業に雇用される形態のほかにも、派遣社員として出向するケース、アルバイトや期間工として働くケースなどがあります。

期間工とは?コロナの影響で会社が倒産してしまった時に考えておくべきこと

非正規雇用であれば、勤務時間を調整することでほかの仕事と掛け持ちしながら働くこともできるため、よりパワフルに稼ぎたい方にもおすすめです。

必要となる知識・資格・体力などの要件はありますが、興味があるのであればチャレンジしてみましょう。

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