災害時の対策として確保しておきたい「防災食」は、ボソボソの乾パンのイメージがかなり強く、味もあまり良さそうな印象はありません。しかし、近年の防災食はかなり改善されており、普段の食事と大きくは変わらないほどの出来なのです。この記事では、おいしくなった防災食をご紹介していきます。
もくじ
防災食の買い方は
非常時であっても、人が1日に必要とする食事や水の量は大きく変わりません。どれくらいの量の防災食が必要になるのでしょうか。
必要な水の量は水3L/人・日
人間は、安静にしていても1日に約2~3Lの水を必要としています。汗をかきやすい暑い時期であれば、その必要量はさらに増えていきます。
備蓄量を増やしすぎると防災バッグ自体が重たくなりすぎて避難が難しくなりますが、それでも1人あたり1日3L程度の水分を見込んで確保しておくことが重要となります。
防災食は「主食+おかず1~2品」/1食を用意
ご飯やパンなど主食になるものを1品と、おかず1~2品が取れるものを用意しておくと、栄養バランスが保て、健康を損ないにくくなります。
特定のものばかり食べていると栄養状態が悪くなるだけでなく、精神的にも負荷が高まっていく恐れがあるため、注意が必要です。
できるだけさまざまな種類のおかずを取り揃えておくことで、少しでも避難先での生活を快適にすることができます。
歯が悪い人がいる場合は噛まなくても食べられる柔らかいものを
高齢などでかたいものが噛みにくい方がいる場合、流動食に近い、噛まなくても栄養摂取ができるアイテムを保存食の中に混ぜておくことをおすすめします。
ゼリータイプの食品であれば、食欲が落ちているときでも手軽に栄養摂取しやすいというメリットもあります。
賞味期限をチェックして定期的に入れ替える
防災食は平均的な食品に比べればかなり長期での保存が利くように設計されています。
しかし、3~7年程度で賞味期限が切れることが多く、「いつまで置いたままにしておいてもまったく問題ない」というほどではありません。
そこで、あらかじめ防災食の賞味期限は確認しておき、期限切れになる前に入れ替えを行うようにしましょう。
交換前の賞味期限が迫った防災食は、通常の食事としてももちろん食べることができるので、いざというときのために使い方を確認する意味でも、そのまま食べてしまうことをおすすめします。
被災した時に、いつも食べ慣れているものがあるとストレスが軽減すると言われています。水やお菓子などは複数ストックして賞味期限が近いものから普段の生活で食べていくローリングストック法が注目されています。
おすすめ防災食10アイテム
それでは、実際におすすめできる防災食を10種類ご紹介します。
セットアイテム
特に防災食で便利なのは、主食とおかずが丸ごとセットになっているアイテムです。
【ミドリ安全】そのまま食べられる保存食セット3日分 プラス
味付きご飯、菓子パン、ビスケット、おかゆ、おかず、ようかんなどが各3食ずつセットになったアイテムです。これで、1人分、約3日間程度の食料となります。
保存食として有名なサバイバルパンも入っています。
また、このセットには水500mlが3本付いていますが、これだけでは不足しますので、追加で7.5L分程度の水を買い足すことをおすすめします。
【アイリスオーヤマ】非常食7日間セット
ご飯14食分、パン7食分、おかず7食分、スープ8食分、おやつ8点に、水4L分が付いたセットです。
7日間分の食料としては水がやや足りませんので、追加で16L程度以上を確保しておくといいでしょう。
アイテム数が多いため、1人の7日分だけではなく、2人の3日分として考えても十分な量があります。
味もさまざまなものがあり、飽きが来ないように工夫されていることも嬉しいポイントです。
主食
主食は、ご飯、パン、パスタなどの炭水化物が取れるものを指します。エネルギーを効率よく生み出せる栄養素であり、食事の中心的な役割として欠かせません。
【MT-NET】永谷園 フリーズドライご飯4種
『永谷園』の“フリーズドライご飯”は、水を注ぐだけで簡単に食べられる保存食です。
7年間保管できる超長期保存性に加え合計20食分という大容量パックが特徴で、主食としては7日間分程度の防災食として役立ちます。
【尾西食品】アルファ米12種類全部セット(非常食 5年保存 各味1食×12種類)
『尾西食品』の“アルファ米”は、水を注ぐだけで食べられるご飯です。
白飯だけでなく、松茸ごはんや赤飯、梅がゆなど、さまざまなバリエーションの味付けがなされており、飽きずに食べまわすことができます。
【エス・アイ・オー・ジャパン】その場deパスタ 9食セット
非常時でも、ごはんやパン以外のものが食べたくなることはあるでしょう。そんなときに嬉しいのが、水で戻して食べられる“その場deパスタ”です。
水を注いで20分放置するだけで、簡単にパスタが食べられます。味はコーンクリーム、トマト、和風の3タイプです。
【JA】農協の飲めるごはん
『JA北大阪』が防災食として開発した“飲めるごはん”は、その名の通りドリンク状になったご飯です。梅こんぶ風味、ココア風味、シナモン風味の3タイプがあります。
味はかなり甘い甘酒のような印象で、エネルギーをしっかり補給するのに適しています。
食品を噛むのが難しい方でもしっかりと糖分を補給することができるため、1セット確保しておくことをおすすめします。
おかず
防災食のなかでも特に進化が目覚ましいのは、おかずです。非常時でも和洋中のさまざまなおかずで、しっかり栄養を確保していきましょう。
【尾西食品】Coco壱番屋監修 尾西のカレーライスセット30食
有名カレーチェーンのCoco壱番屋が監修しているカレーライスのセットです。
ひとつのパックの中にカレールーとアルファ米が入っており、指示通りに作ることでパック内でも食べられる美味しいカレーが出来上がります。
スプーンも付属している点は些細なことですが、非常にうれしいメリットです。
【東和食彩】非常食おかずセット
野菜たっぷりのとん汁、肉じゃが、玉子入りおでん、煮込みハンバーグの4種が2つずつ組み合わされているおかずセットです。
防災食で不足しがちな野菜をしっかり確保できるという点で、非常に優れています。
【ええもん広場】レトルト総菜12食詰め合わせ
鶏もも炭火焼やぶり大根など、タンパク質を補給できる美味しいおかずが12食セットになっています。
和風の煮物だけでなく、タンドリーチキンなどアクセントの強いおかずもあるのが嬉しい組み合わせです。
【カゴメ】野菜の保存食セット
『カゴメ』からは、ビタミン欠乏に備えた野菜ジュース、野菜スープのセットが出されています。2人が3日間で摂りたい野菜を、しっかり補うことができるアイテムです。
常温で5年以上保存ができる野菜ジュースは、かなり珍しいです。緊急時でも健康に配慮した食生活を送りたい方に、ぜひおすすめです。
防災食は日々進化している!美味しい防災食でピンチを切り抜けよう
防災食は、科学技術の進歩とともに大きな広がりを見せています。
長期保存が可能なだけではなく、味の面でも大幅な改善が見られ、さらに栄養バランスも考えられた防災食が次々誕生しています。
賞味期限に合わせて更新しながら、新しくて美味しい防災食を探してみることをおすすめします。
日本は災害が毎年どこかで必ず起こっている国です。
日本で生活していく上で、防災グッズや防災食を準備しておくことはリスク回避に欠かせないことです。
この記事を読んでくださっている人は、自分や家族を守るために保存食についてぜひお考えください。
高齢の方だけではなく、未成熟のお子様用の防災食も必要です。お子様がいる方は、子供向けの食材を準備しましょう。