熱中症対策として水を大量に飲むケースは少なくありません。
しかし、ただ水を飲むだけでは正しい対策とは言えず、場合によっては熱中症の症状を加速させてしまうこともあり得ます。
熱中症対策には、塩分などのミネラルの補給が必須です。
この記事では、効果的な塩分補給の方法と、おすすめアイテムをご紹介します。
もくじ
汗と一緒にミネラルが流れ出てしまう
通常人間は暑くなると汗をかき、体温を下げようとする仕組みが働き、汗が出ます。熱中症対策に塩分補給が必須といわれる理由は、この汗に含まれている物質によります。
汗は、ただ水が体内から流れ出ているように見えるかもしれませんが、多くのミネラル分を含んでいます。
ミネラル分には、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどがあり、さまざまな成分が汗として流出してしまうのです。
この状態で水だけを飲むと、ミネラルが減少したまま水分量だけが増えていくため、体内のミネラル濃度が低下していきます。
そして、ミネラルの濃度が低下していくと、熱中症のさまざまな症状が現れやすくなります。つまり、汗をかいて水だけを飲んでいると「熱中症になりやすくなる」と言えるのです。
冷水を飲めば一時的に体温が下がるため、そのタイミングでの熱中症対策にはなっています。
しかし、体内のミネラル濃度は下がったままなので、再び体温が上がったときに熱中症になるリスクが高まってしまうのです。
塩分を摂るには飴やドリンクを活用
本来であれば十分な休憩を挟んで体温を下げ、食事や間食によって適切にミネラル分の補給を行うのが理想です。
しかし、作業を行っている間にそれほど長時間の休みを取るのは難しいケースも少なくありません。
恒常的に気温の高い状態が続くと、気付かないうちに脱水・脱ミネラル状態に陥っていて、熱中症になってしまうというケースも考えられます。
そのため、水分と同時に塩分をこまめに補給できるよう、事前に準備をしておくと良いでしょう。
特におすすめなのは、
- 経口補水液
- スポーツドリンク
- 水+塩飴(塩タブレット)
の3種類です。
いずれも、液体は吸収効率を良くするために、常温に近い温度にしておくことをおすすめします。
体温を下げるのであれば、氷水などで濡らして絞ったタオルを使い、首回りや脇の下を冷やすと一気に体温を下げる効果が期待できます。
塩分補給におすすめのアイテム9選!
塩分補給におすすめのアイテムとして、以下の9種類をご紹介します。
ドリンクタイプ
ドリンクタイプは、特におすすめの経口補水液を4つご紹介します。
【大塚製薬】経口補水液 OS-1
500mlのペットボトル入り経口補水液です。血液と同じ浸透圧に調整されているため、汗で流れ出た水分・ミネラル分を効率的に吸収することができます。
常温の経口補水液を飲んだときに、健康な状態であればややしょっぱく感じる傾向にあります。
一方で、無味、もしくは甘く感じる状態だと、脱水症状が進んでいる可能性があるといわれています。
自分の体調のチェックにも使えるドリンクとして、用意しておくことをおすすめします。
【コカ・コーラ】アクエリアス 経口補水液
スポーツドリンクとして有名な“アクエリアス”のなかで、浸透圧を体液に近く調整したアイテムがこちらです。
ミネラル分の欠乏に対して効果的な吸収が期待できるため、作業時にはもちろん、スポーツシーンなど大量に汗をかく場でも安心して飲むことができます。
【九州自然館】経口補水液パウダー
粉末状のアイテムを水に溶くタイプの経口補水液です。
ペットボトル製品に比べて水に溶くという手間が増え、分量を間違えると効果的な水分吸収が期待できないというデメリットがあります。
一方で、パウダータイプは場所を取りにくいため、ある程度の量をストックしておくのに適しています。
事業所などで一度に大量の経口補水液が必要になる場合や、遠い作業場所に運んでいく必要がある場合でも、効率よく移送することが可能です。
九州自然館の経口補水液パウダーは、梅風味でさっぱりとした飲み口になります。
【井藤漢方製薬】経口補水液ライフアシスト パウダー
500mlに1~2包を溶かして使用する粉末タイプの経口補水液です。経口補水液として利用するのであれば、500mlに対して1包を溶かすことをおすすめします。
クエン酸などの添加によって疲労感の低減も期待できます。また、オレンジフレーバーで飲みやすく調整されているのもおすすめのポイントです。
飴・タブレットタイプ
ミネラルウオーターなどと一緒に摂りたい、キャンディーやタブレット、お菓子を5種類ご紹介します。
熱中症対策になる塩分以外にも、糖分、クエン酸などさまざまなものを一緒に摂取することができるため、積極的に取り入れていきましょう。
【ミドリ安全】塩熱サプリ
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル分のほか、日常生活で不足しがちなビタミン類も含んだ栄養機能食品です。
タブレット状なので、暑さで溶けにくく、口の中で程よく溶けていきます。
熱中症対策として有用ですが、1錠で摂取できるミネラルの量には限りがありますので、作業前に1錠、昼休憩の前後で1錠など、時間を決めて定期的に使っていくことをおすすめします。
【ミドリ安全】塩熱サプリソーダ味
上記アイテムと類似する内容のタブレットで、こちらはソーダ味になっています。味違いのアイテムを用意しておくことで飽きを防ぎ、継続的に使用しやすくすることも可能です。
【ミドリ安全】ヨーグルト塩飴
1粒で約200mgの塩分を摂ることができる塩飴です。
糖分の含有量が多いため、熱中症対策として使うのであれば出来るだけ水を一緒に摂ることで糖分過剰にならないように気を付けましょう。
【ミドリ安全】塩タブレットミックス
レモン味・カシス味・パイン味の3種類がミックスで入っている塩タブレットの大袋パックです。
味にバリエーションがあることで、気分の切り替えにもぴったりです。1粒あたり約70mgの塩分を摂ることができます。
【ミドリ安全】熱中カリカリ梅
塩分だけではなくクエン酸も摂りたい人には、カリカリ梅も効果的です。
クエン酸にはより疲労を回復しやすくする効果が期待でき、暑い中での作業においてぜひ摂取したい成分のひとつです。
塩タブレットなどと一緒に常備しておくことで、気分転換にも使うことができます。
こまめな休憩と塩分・水分チャージで熱中症を予防しよう
熱中症予防には、こまめな休憩で体温を下げることと、汗で流れ出たミネラル分・水分を補給することが重要です。
水だけを飲んでいても失ったミネラル分は回復できません。経口補水液やスポーツドリンク、塩タブレット・塩飴などを活用して塩分補給を忘れずに行いましょう。
無観客で行われている東京オリンピックなので観戦に行かれる方は少ないですが、会場に足を運ばれていたり、野外で応援される方もいます。コロナ禍でマスク着用で外にいると熱中症の可能性が高くなりますのでそんな方は特に熱中症対策をしましょう。