特に工場や水産業界で使われることの多い業務用の長靴。
豊富な経験を有するベテラン作業員でも自らの不注意とは関係ないスリップ事故でケガを負ってしまうケースは少なくありません。
どれだけ細心の注意を払っていても、足下の長靴の機能性に問題があれば無用なリスクが回避できないのです。
ここでは作業現場で転びづらい、より安全性に優れた長靴選びに役立つ基礎知識をご紹介します。
- 長靴同士がくっつきにくい加工をしてあるから安心!
- ソール部分が滑りにくい加工をしてあるので安心
- 銀等無機系の抗菌素材を長靴に練り込んであるので半永久的に抗菌効果が持続
もくじ
転ばないために!まずは長靴の靴底(ソール)部分に注目を
水や油など足が滑りやすい液体や、床面の材質そのものが滑りやすい作業環境で履く長靴を選ぶ際には、まずは靴底部分のチェックが不可欠です。
十分な滑り止め効果が期待できる形状であることの目視確認をしてください。
溝の部分に細かい異物などが詰まりやすいデザインは好ましくありません。ソール部分が目詰まりしてしまったり、溝がなくなるまで履きつぶしてしまうと転倒しやすくなります。
材質と表面の仕上げにも着目してください。
耐油性に優れた表面加工に加え、身体のバランスをとる上で重要なつま先部分を保護する補強加工が施されていれば理想的です。
薄底で平らな形状であれば接地面積が広く安定するイメージですが、工事現場全域に適した長靴には、釘や金属片など鋭角的な物体が突き刺さるリスクもあるので注意が必要です!!
スリップ対策も含めたケガ防止対策の視点からも、一定の厚みのある靴底の長靴を選びましょう!
- 踏み抜き防止板内装!
- 水や雪・ホコリなどが侵入しにくい履き口フード付き
- 足先への圧迫を抑える、幅広のワイド樹脂先芯
- 熱・薬品・水・油に強い、ベーシックなゴム1層底のソール
- 災害時にも使える長靴
長靴は筒の部分がくっつきにくい材質の製品を選びましょう
作業現場における転倒事故の原因は、長靴の底や足下のコンディション不良だけではありません。
意外と盲点なのは、長靴同士のくっつきによる転倒です。
左右の長靴の内側同士が歩行中にくっついてしまい、一瞬棒立ち状態になってしまったことでバランスを崩してしまう事例も、数多く報告されています。
作業用長靴に用いられる素材に共通するのが、くっつきやすい特性。
高所や重い運搬物を抱えての移動中にこの状況が生じた場合、甚大な事故につながるリスクが見過ごせません…。
商品選択時には直接手で触れ、左右の表面の粘着度合いを確認する、くっつきを防ぐ特殊加工が施されているかどうかを確かめる必要があるんです。
- 長靴同士がくっつきにくい加工をしてあるから安心!
- ソール部分が滑りにくい加工をしてあるので安心
- 銀等無機系の抗菌素材を長靴に練り込んであるので半永久的に抗菌効果が持続
フィット感と内部加工も重要
一般的に作業用の長靴は通常の靴と比較して、足に対して若干大き目のサイズを選択する傾向がみられます。
中長時間の作業を通じて足全体を締め付けるような設計の場合、疲労感が原因の転倒事故が懸念される一方、大き過ぎて内部に大きな遊びが生じる長靴も危険です。
昔の長靴は大きめのサイズを履かないと蒸れてしまうことが多かったですが、最近では水漏れ防止や速乾性に優れた内部加工がされている長靴はたくさんあります。
災害時にも活躍する長靴ですが、サイズが大きすぎると脱げてしまう可能性があるので注意が必要。
さまざまな歩行姿勢や予期せぬ咄嗟の体重移動に対し、長靴全体が自身の足の動きに確実に対応してくれるフィット感もスリップ事故の回避に有効なポイントです。
また寒冷地など凍結が予想される作業現場向きに、鋼鉄製のスパイクが靴底に配備された長靴もありますが、木造建築現場などの場合、大切な建築物や材料に傷をつけてしまうリスクがあることも注意しましょう。
スリップ防止の重要性とどちらを優先するのか、使う現場に合わせて選ぶことが重要です。
長靴の選び方は靴底の形状だけではなく表面加工と履き心地を総合的にチェック!
転びづらい作業用長靴の選択に際しては、靴底の形状だけでなく、左右の長靴の側面同士がくっつきにくい材質であるかどうかも必ず確認しましょう。
靴底部分に異物が詰まりやすそうな細か過ぎる溝が施されている、くっつき防止の加工が施されていない製品はおすすめできません。
また足全体が締め付けられる、内部に余裕があり過ぎるなど、フィット感に問題がある履き方にならぬよう、履き心地のチェックも重要です。
長靴は安全靴や普段使いの靴よりも選ぶときに軽視しがちですが、普段履かないものだからこそ履いたときにリスクになってしまいます。
転倒防止機能が充実している1足を選ぶことが大切です!