温熱環境ってなに?作業環境の気温や湿度の計測器はどんなものがあるの?

温熱環境ってなに?作業環境の気温や湿度の計測器はどんなものがあるの?

労働衛生管理を考える上で温熱環境という大切な考え方があります。

衛生管理者とはどんな資格?職場での役割や試験の難易度は?

温熱環境は、温度感覚を左右する環境のこと。

職場だけではなく、住宅でも人間が「快適」に生活するには温熱環境はとても大切です。

働いている場所や、生活環境の過ごしやすさは暑すぎたり寒すぎたりするととても不快ですよね?

安全くん
職場環境を考える上でとても大切な考え方。人間の温度感覚を左右する条件や、計測はどのようにしているのか解説していきます。

温熱環境とは?

温熱環境について考える

暑からず、寒からずの快適な温度のことを至適温度といいます。

人間の温度感覚を左右する環境条件は、

  1. 気温
  2. 湿度
  3. 気流
    大気の流れのこと
  4. ふく射熱
    熱を持った物質が発するエネルギーが放射して、 他の物質に熱が伝わること

4つ。

その環境の中で、何をするかによって至適温度は変化します。

「気温」は温度感覚の中で一番感じやすい物なので、天気予報でも取り上げられるし、職場にも温度計が設置してあります。

至適温度は個人差が大きい

男性・女性、年齢によっても快適だと感じる温度は変化するし、

作業している状態なのか、リラックスしてくつろいでいる状態なのかによっても快適な温度や湿度は変化します。

個人宅であれば、自分の好きなようにエアコンをつけたり換気をしたりすることができますが、職場の場合は最大公約数の意見で決めることが一般的です。

職場での至適温度は、作業強度や作業時間にもよりますが、一般的に、夏場は温度が25~28度で湿度は45~60%、冬場は温度が18~22度で湿度は55~65%と言われています。

温熱指標の種類

温度感覚を左右する環境条件、「気温」「湿度」「気流」「ふく射熱」を計測して快適な温熱環境を作るためにいろいろな温熱指標があります。

オフィスワークだと、室内で気流やふく射熱を気にせず快適な温度を設定することができますが。

工場や建築現場などでは、労働者の作業環境を把握するために様々な視点から指標を出しています。

指標定義備考
実効温度 (感覚温度)気温、湿度、気流の総合効果を指標で表したものふく射熱は考慮されない
修正実効温度ふく射熱を考慮した実効温度
乾球温度ではなく、黒球温度を用いて測定する
直射日光等の放射熱源にさらされ、周壁の温度が気温と等しくない場合等に用いられる
不快指数蒸し暑さの程度を表したもの
0.72 ×(乾球温度 + 湿球温度)」+40.6
一般的に80以上で大多数が不快と感じるとされるが、気流が考慮されていないため、学問的に合理的な目安とはいえない
WBGT指数 (湿球黒球温度指数)気温、湿度、ふく射熱を加味した暑さの総合指数

  1. 屋外で太陽照射がある場合
    0.7 x自然湿球温度+0.2×黒球温度 +0.1×乾球温度
  2. 屋内または屋外で太陽照射がない場合
    0.7 x自然湿球温度+0.3×黒球温度
暑熱環境で作業者が受ける 熱ストレスの評価を行う簡 便な指標として用いる
暑さ指数(WBGT)ってなに?熱中症対策に知っておくべきこと!

作業場に合わせて、どの温熱指数を使うのかを決定して安全のために管理しています。

気温や湿度の計測器はどんなものがあるの?

一般的な家庭では、温度計や湿度計を使って今快適な温度・湿度かを測定して暖房を入れたり冷房を入れたりしますけど。

大規模な建築現場や、工場などでは「気流」「ふく射熱」なども温熱環境には欠かせない指標なので特殊な計測器を使っています。

アスマン通風乾湿計

アスマン通風乾湿計

乾球・温球温度計2本と通風管からなり、温球温度計の球部にガーゼが巻いてある乾湿計です。

気流とふく射熱の影響を受けないので屋外でも使用することができるのが特徴です。

黒球温度計

黒球温度計

ふく射熱を計測するために中空の黒球の中心で測定します。修正実効温度の測定に使用します。

まとめ

温熱環境

温熱環境についてまとめました。

人間が「快適」に生活するには「温度」「湿度」「気流」「ふく射熱」のバランスがとても重要です。

季節や用途によって快適に過ごせる指標も変化しますが、今職場で快適に作業することができるのは、温熱環境をしっかり管理してくれる人のおかげかもしれません。

工場や工事現場で働いている方は、普段見なれない計測器を見かけることが多いと思いますが何を測定しているのか知っているとその現場がどの温熱指標を使っているのか知ることができます。

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