重い荷物をつり上げるクレーン。
建設工事だけでなく、工場や倉庫、引越しで積荷できない場合など様々な現場で見かけることがあります。
人の手では運べない重荷をクレーンで運ぶ時にクレーンに、荷を掛けたり、外したりする作業を玉掛けといいます。
玉掛け作業は、間違えた方法をすると重い荷物が落下して怪我をしたり、建築物を破損してしまったりかなり危険です。
そのため使用するクレーンの最大つりあげ荷重が1トン以上なら資格が必要になります。
もくじ
玉掛け作業とは?
クレーンを使用して作業を行うときに、
- クレーンのフックに荷物を掛ける
- クレーンのフックから荷物を外す
作業のことを「玉掛け」と呼びます。
間違った知識や誤った玉掛け作業をすると重荷が落下して、事故が発生してしまうので、玉掛けの仕事はクレーンを使う現場にではとても重要です。
玉掛け作業をする場合は、使う用具は異なります。
安全につり上げられるつり荷の最大荷重が決められていますので規定を守って作業しなくてはいけません。
玉掛け作業は単純作業ですが、方法や使用する用具がたくさんあるため作業を行うためには知識が必要なのです。
玉掛けを行うには重さによって資格を取得することが義務付けられています。
つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリック、揚貨装置による玉掛作業に従事するには「玉掛け技能講習」を修了することが必要です。
出典:玉掛け技能講習|一般社団法人労働技能講習協会
玉掛け作業に必要な資格は?
制限荷重が1トン以上のクレーンを使って玉掛け作業を行うためには技能講習を受け、資格を取得しなければなりません。
制限荷重が1トン以上のクレーンは、大きなビルの建設現場などでも使用されます。
ちなみに制限荷重が1トン未満のクレーンは資格の取得は必ずしも必要とされていませんが、会社によっては特別教育を玉掛けをする従業員に修了させていることも多いです。
建築や土木系の会社では会社で集団受講することが多いです。
玉掛け技能講習の受講資格
玉掛け技能講習の受講資格は、18歳以上。
実務経験も特に必要ありません。
現場未経験の人でも取得できるので、クレーンを使う現場で働いているほとんどの人が持っている資格です。
- 移動式クレーン又はクレーン運転士免許・デリック運転士免許・揚貨装置運転士免許取得者
- 小型移動式クレーン運転技能講習又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者
上記の方は、講習科目の免除(クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識・クレーン等の運転のための合図)があります。
玉掛け技能講習の日程は?
玉掛け技能講習は、出張でも実施しているので会社全体で必要な場合は出張を依頼できます。
個人で受講する場合は、全国の教習センターで取得することができます。
毎月土日で実施している場所が多いので、申し込めば受講可能です。
免除科目がある方でも、講習は全部で3日間です。
教習所によって日程は多少変わりますが、
- 学科1日目:講習7時間
- 学科2日目:講習5時間、修了試験
- 実技:講習7時間、修了試験
上記のような流れで受講します。
玉掛け技能講習の難易度は?
玉掛け技能講習は落とすための試験ではないので、国家資格の中でも難易度はかなり低めです。
講習をきちんと聞いてさえすれば、合格率は95%以上と言われています。
- クレーン等に関する知識 1h
- クレーン等の玉掛けの方法 7h
- クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識 3h
- 関係法令 1h
- 学科試験 1h
- 実技:クレーン等の運転のための合図 1h
- 実技:クレーン等の玉掛 6h
上記を3日間分けで受講するので、長丁場ですが試験自体は難しくはありません。
玉掛け技能講習の料金は?
技能講習を受けるには、受講料と教材費が必要です。
免除科目のある方もない方も、
受講料が約25,000円 テキスト代が約2,000円 合計で30,000円くらいで取得可能。
試験を受ける場所によって料金が若干変わるので、確認してください。
玉掛け技能講習の修了証はいつもらえる?
基本的に実技修了後即日交付してもらえます。
履歴書にも、修了した日から「玉掛け技能講習修了」と書くことができますし、玉掛け作業をすることができるようになります。
「玉掛け」の資格だけではなくクレーン車を運転できる運転免許も仕事では必要なことが多い
クレーンを使う業務をする場合、「玉掛け」も必要な資格ですがクレーン車を運転できる運転免許を持っていた方が、仕事の幅が広がるので両方の資格を取得することがおすすめです。
大きな工事現場ではクレーンを操縦する人と玉掛けする人が分かれていますけど。
小規模な現場では両方をすることが多いですし、玉掛けする時にクレーンを操縦する側のことも知っておいた方が安全な作業をすることができるからです。
玉掛け資格を取ろうか考えている人は、仕事や転職で使おうと思っている人が多いはずなので移動式クレーンの操縦も一緒に習得してみてください。