現場に入るときに言われる「保護具をそろえてください」は、人によって中身がちがいます。ヘルメットと安全靴だけの現場もあれば、保護めがねと防じんマスクまで必要な現場もあります。
何が必要かを決めるのは、職種や会社の名前ではありません。その作業に、どんな危ないことがあるかです。
この記事では、危険源から保護具を決める順番を、部位ごとに整理しました。選ぶときに見る表示と、交換の目安もまとめています。
数字と決まりは、厚生労働省と業界団体、メーカー公式で確かめたものだけを載せました。確認日は2026年9月25日です。

- 保護具を選ぶ順番(危険源から決める考え方)
- 頭・目・耳・呼吸・手・足を守る保護具の種類
- 保護帽の「労・検」ラベルと使用区分の見かた
- 防じんマスクの区分(DS2など)と指定防護係数の意味
- 点検・交換・保管の決め方と、ヘルメットの交換の目安
- 保護具は会社支給か自腹か。自分で買うときの値段の目安
- 法令と制度は厚生労働省「職場のあんぜんサイト」、交換の目安は日本ヘルメット工業会のFAQで確かめました
- 商品の規格・素材・価格は、ミドリ安全.comの商品ページで2026年9月25日に確認しています
- 引用はすべて原文のまま載せ、出典のリンクを記事の最後にまとめました
初めて現場に入る人も、長く現場にいて見直したい人も、次の順番で考えると迷いません。
- 会社や元請けから指定されている保護具を聞く(ここが最優先)
- 支給・貸し出しがあるものを確かめる(0円でそろう分)
- 自分の作業で残っている危険を書き出す
- その危険に合う保護具を、規格の表示を見て選ぶ
- サイズと着け心地を確かめる(合っていないと効き目が落ちる)
選び方はこの先で部位ごとに説明します。先に1つだけ例を出すと、保護めがねは1,500円から2,600円ほどで買える保護具です。
支給品が顔に合わない人が、自分で買い替えることのある保護具でもあります。値段の感覚をつかむための例として見てください。

粉じんが横からも飛ぶ場所で使う、サイドシールドの大きい保護めがねです
- レンズの両面にキズと薬品に強いハードコート仕様
- 横からの粉じんを防ぐ大型サイドシールド
- つるの部分を上下に動かせて、鼻パッドもやわらかい素材で調整できる
- 重さ52g・横幅W182mm。めがね拭きにもなる専用ポーチ付き
- ミドリ安全.comの販売価格は2,123円(税込・税抜1,930円)
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保護具とは?危険をなくす対策のあとに来る「最後の砦」
保護具は、体に着けて危険から身を守る道具のことです。ヘルメット・保護めがね・防じんマスク・手袋・安全靴などが当てはまります。
大事なのは、保護具が対策の順番でいちばん最後に来ることです。まず危ないものを無くす、次に設備や作業のやり方で減らす、それでも残る危険に保護具を使います。

図の4ステップを、言葉にするとこうなります。
- ステップ1:その作業で何が飛ぶのか、落ちるのか、かかるのかを書き出す
- ステップ2:囲いを付ける、作業のやり方を変える、場所を分けるなどで危険そのものを減らす
- ステップ3:それでも残る危険に合う保護具を選ぶ
- ステップ4:規格や検定の表示を確かめ、自分の体に合う大きさを選ぶ
保護具を着けたからといって、危険がなくなるわけではありません。保護具は、事故が起きたときに被害を小さくするための物です。
だからこそ、現場で決められている作業手順と保護具の指定は、両方とも守る必要があります。自己判断で外さないでください。

保護具は危険源から選ぶ:飛来落下・墜落・切創・粉じん・騒音
保護具を選ぶとき、守る部位から考えると抜けが出ます。先に危険源を挙げてから、その危険を受ける部位に当てはめる方が確実です。
現場でよくある危険源と、対応する保護具を並べます。
- 物が飛んでくる・落ちてくる → 保護帽(ヘルメット)・保護めがね・安全靴
- 高い所から落ちる → 墜落制止用器具(フルハーネスなど)
- 刃物や金属の角で手が切れる → 耐切創手袋
- 粉じんやヒュームを吸う → 防じんマスクなど呼吸用保護具
- 有機溶剤や薬品がかかる → 防毒マスク・化学防護手袋・防護服
- 大きな音が続く → 耳栓・イヤーマフ
- 熱や火花が飛ぶ → 遮光面・難燃の服・熱に強い手袋
- 電気を扱う → 絶縁用保護具
同じ作業でも、季節や場所で危険源は変わります。夏の屋外なら暑さも危険源のひとつです。
- 作業を1つずつに分けて考える(段取り・本作業・片づけで危険がちがう)
- 自分だけでなく、隣で働く人の作業からも危険が来ると考える
- 「いつもは大丈夫」ではなく、失敗したときに何が起きるかで考える
- 危険源が複数あるときは、保護具どうしが干渉しないかを確かめる
- 迷ったら、会社の安全担当や元請けの指定を先に確かめる
守る部位で見る保護具の種類一覧(頭・目・耳・呼吸・手・足)
順番は、危険源が先で部位はあとです。危険源から挙げた保護具に抜けがないかを、この一覧で確かめます。

部位と代表的な保護具は次のとおりです。
- 頭:保護帽(ヘルメット)
- 目:保護めがね・ゴーグル・遮光面
- 耳:耳栓・イヤーマフ
- 呼吸:防じんマスク・防毒マスク・送気マスク
- 手:耐切創手袋・化学防護手袋・絶縁用の手袋
- 足:安全靴・安全長靴・足の甲を守るプロテクター
- 体:防護服・遠くからでも見えやすい高視認性の服・墜落制止用器具
絶縁用保護具には、手袋のほかに長靴や防具もあります。図解では代表的なものだけを挙げています。
この一覧を、自分の作業に合わせて消しこんでいきます。要らない部位は消して、要る部位だけ残せば買う物がはっきりします。
職種によって、よく使う保護具はちがう
同じ現場作業でも、職種で必要な物は変わります。よくある組み合わせを例として挙げます。
- 建設・土木:保護帽・安全靴・保護めがね・作業に応じて墜落制止用器具
- 倉庫や物流:安全靴・作業に応じて保護帽・重い荷を運ぶ場所では足の甲を守るもの
- 食品工場:すべりにくい長靴や作業靴・作業に応じて使い捨て手袋や耐切創手袋
- 製造・金属加工:保護めがね・耐切創手袋・音の大きい場所では耳栓やイヤーマフ
- 塗装や薬品を扱う作業:防毒マスク・化学防護手袋・防護服
これはあくまで例です。実際に何が必要かは、会社と元請けの指定が先になります。
次の章からは、部位ごとに「選ぶときに見るところ」を説明します。見るところは、規格や検定の表示と、体に合うかどうかの2つです。
頭を守る保護具の選び方:保護帽は「労・検」ラベルと使用区分を見る
保護帽は、見た目が同じでも中身がちがいます。飛来・落下物用と、墜落時保護用では、求められる性能が別だからです。
見分ける手がかりは、帽体(頭を覆うかたい部分)の内側に貼ってあるラベルです。ミドリ安全は、保護帽の取扱説明でこう書いています。
「労・検」ラベルを確かめて、作業に合った区分の保護帽を使用してください。
「労・検」ラベルは型式検定合格標章のことです。同じ取扱説明では、このラベルに使用区分や材質などが書かれていると説明されています。
材質が書いてあるということは、交換の目安もここで決まるということです。材質ごとの年数は、後の章でまとめます。
使用区分は作業の中身で決まる
使用区分は、どんな危険に使う保護帽かを示すものです。同じ取扱説明には、使用区分によって機能と構造がちがうと書かれています。
高い所で作業する人は、墜落時保護の区分が入っているかを見てください。飛来・落下物用だけの保護帽では、落ちたときの衝撃を受け止める作りになっていません。
電気を扱う現場では、電気用の区分が必要になることもあります。会社や元請けから指定されている区分を先に確かめてください。
ミドリ安全 ヘルメット SC-11B RA KP
帽体(頭を覆うかたい部分)の材質はABSで、衝撃吸収ライナー(KP)が入っています。内装一式が付いていて、頭囲55〜62cmに対応します。
使用区分は、商品ページの「使用区分」の欄で確かめてください。飛来・落下物用と墜落時保護用のどちらが要るかは、自分の作業で決まります。

2,156円(税込)で買える、国家検定合格品の作業用ヘルメットです
- 国家検定合格品。内側のラベルで使用区分と材質を確かめられる
- 帽体はABS。衝撃吸収ライナー(KP)入り
- 内装一式つき(RAバンド・ハンモック・耳ひも・あごバンド)
- 頭囲55〜62cm・重さ400g
- ミドリ安全.comの販売価格は2,156円(税込・税抜1,960円)
指定の付属品以外を組み合わせると国家検定の規格外になる、と商品ページに書かれています。内装や部品を替えるときは、同じ型のものを選んでください。
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ヘルメットは色や形の好みで選びたくなりますが、先に区分を合わせてください。その上で、通気孔やシールドの有無を選ぶ順番になります。
作業用ヘルメットの種類と選び方はこちらの記事を参考にしてください。
目を守る保護具の選び方:飛んでくる方向とすき間で決まる
保護めがねは、飛んでくる物の方向で選び方が変わります。正面だけならふつうの保護めがね、横や下からも飛ぶならサイドシールド付きやゴーグルです。
粉じんが舞う場所や、薬品が跳ねる作業では、顔に密着するゴーグルが向いています。目とレンズのすき間が、そのまま粉じんの入口になるからです。
この記事で確かめた保護めがねの商品ページには、規格の表示は書かれていませんでした。そのため保護めがねは、レンズの素材・サイドシールドの有無・重さで選ぶことになります。
重さと締めつけで「着け続けられるか」が決まる
まず危険源に合っているかを確かめます。そのうえで見るのが、1日着けていられるかどうかです。
重いものや締めつけの強いものは、途中で外してしまいます。外している間に目を傷つけるおそれがあります。
重さ19gで、ミドリ安全.comでは1,562円(税込)で売られている軽い保護めがねです
メーカーの説明では、耳の上にかかる圧力を一定に保つ作りで、いろいろな顔幅に合わせられます。
レンズはポリカーボネート製のグレーレンズで、鼻パッドの角度を調整できます。屋外向けの色です。
この商品はミドリ安全.comの商品ページでも買えます。作業服店やホームセンターでも、同じような軽さの保護めがねが手に入ります。
記事の最初で紹介したミドリ安全のVS-302Hは、横からの粉じんに強い大型サイドシールド付きです。粉じんが多い現場ならこちら、軽さを優先するならSF402AFという選び方になります。
顔の小さい人は小型の保護めがねを選ぶ
横幅の合わない保護めがねは、ずれて目とレンズのすき間が空きます。そのすき間から、粉じんや切りくずが入ります。
上で紹介した2つは、横幅がW182mmとふつうサイズです。顔の小さい人や女性は、小型に作られた保護めがねを見てください。

横幅139mmで27g。支給品が大きくてずれる人に合う小型の保護めがねです
- 従来品より小型に設計された保護めがね。横幅はW139mm
- レンズの両面にくもり止めコート(V+コート)
- 重さ27g。上で紹介したVS-302Hの約半分
- 鼻パッドが左右に動き、つるの角度も変えられる
- ミドリ安全.comの販売価格は2,607円(税込・税抜2,370円)
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めがねをかけている人は、その上から掛けられるオーバーグラス型も選べます。度付きの保護めがねを作る方法もあるので、会社の担当に相談してみてください。
保護メガネの種類と用途別の選び方はこちらの記事を参考にしてください。
呼吸用保護具の選び方:粉じんと有機溶剤では選ぶものが変わる
呼吸用保護具は、保護具の中でいちばん選びまちがえやすいものです。粉じん用のマスクで有機溶剤のガスは防げません。
呼吸用保護具メーカーの重松製作所は、選ぶ手順をこう説明しています。
環境空気の有害の程度による呼吸用保護具の選択は、最初に酸素濃度によって選択をした後、有害物質の種類や濃度によって選択を行います。
酸素が足りない場所では、ろ過式のマスクは使えません。空気を送る送気マスクや自給式呼吸器が必要になります。
酸素が十分にある場所では、次に有害物質の種類を見ます。粉じん・ヒューム・ミストなら防じんマスク、ガスや蒸気なら防毒マスクです。
ヒュームは、金属を溶かしたときに出る細かい粒のことです。ミストは、液体が細かい粒になって空気中に浮いている状態を指します。
防じんマスクの区分と指定防護係数
使い捨て式の防じんマスクには、DS1・DS2のような区分の表示があります。国家検定に合格した製品には、検定の番号と区分が書かれています。
この区分は、国が定めた「防じんマスクの規格」という告示で決められています。使い捨て式は、DS1からDS3とDL1からDL3の6つに分かれます。
- 数字は粒子を捕らえる性能。告示の表では1が80.0パーセント以上、2が95.0パーセント以上、3が99.9パーセント以上
- DSは、塩化ナトリウム(固体の粒子)を使った試験の区分
- DLは、フタル酸ジオクチル(液体のミスト)を使った試験の区分
- 油のミストが出る作業では、液体の粒子で試験したDLの表示があるかを確かめる
つまりDS2は、固体の粒子を95.0パーセント以上とらえる性能があるという表示です。取りかえ式のマスクでは、同じ区分がRS・RLという記号になります。
- 国家検定合格の表示があるか(検定番号が商品ページや本体に書かれている)
- 区分の数字(1より2、2より3のほうが粒子を捕らえる性能が高い)
- 区分の記号(油のミストがある作業ではDL・RLを確かめる)
- 指定防護係数(外の空気に比べて、マスクの内側の濃度をどれだけ下げられるかの目安)
- 排気弁の有無(息苦しさと湿気の逃げ方が変わる)
- 顔に合うかどうか。すき間があると、区分の性能は出ない
たとえばミドリ安全.comで売られている「ハイラック355」は、区分DS2で指定防護係数10と書かれています。排気弁が付いているので、湿気と熱が抜けやすい作りです。
作業によっては、マスクが顔に合っているかを測る検査が決められていることがあります。自分の作業が当てはまるかは、会社の保護具の担当者に確かめてください。
使い捨て式 防じんマスク ハイラック355
頭の後ろにひもを回してかける頭部掛式です。商品ページの説明では、排気弁から湿気と熱を逃がすのでムレにくい作りです。

1枚あたり約409円。粉じんの出る作業で使う、国家検定合格の使い捨てマスクです
- 国家検定合格品。区分はDS2で、指定防護係数は10
- 排気弁つきで、湿気と熱を逃がすので息苦しくなりにくい
- 耳にかけないので、長い時間の作業でも耳が痛くなりにくい
- ミドリ安全.comの販売価格は10枚入りで4,092円(税込・税抜3,720円)
毎日1枚使うと、月に20枚ほど必要です。使い捨てのマスクは会社が用意する消耗品のことが多いので、自分で買う前に支給されるか確かめてください。
有機溶剤のガスや蒸気は防じんマスクでは防げないので、防毒マスクを選んでください。
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手を守る保護具の選び方:切創・薬品・静電気で手袋が変わる
手袋は、作業の中身で選ぶ物がまったくちがいます。「作業用手袋」とひとまとめにすると、守れません。
- 刃物・金属の角・ガラス → 耐切創手袋
- 有機溶剤・酸・アルカリ → 化学防護手袋(材質と使える時間を確かめる)
- 電気の作業 → 絶縁用の保護手袋(決められた検査を受けた物)
- 静電気を嫌う作業 → 静電気対策の手袋
- 寒い場所 → 防寒手袋(インナー手袋との重ね方も考える)
化学防護手袋は、薬品の種類によって使える材質と時間が変わります。扱う薬品の安全データシートと、メーカーの対応表を必ず見てください。
耐切創手袋は「絶対に切れない手袋」ではない
耐切創手袋は、切れにくい糸で編んだ手袋です。ただし刃物の種類や力の入れ方で結果は変わります。
高強力ポリエチレンとガラス繊維を編んだ、金属やガラスを扱う作業向けの手袋です
つなぎ目のないシームレス編みで、Mサイズの長さは24.5cmです。
商品ページの説明では、金属やガラスや刃物を扱う作業に向いています。
ミドリ安全.comでの販売価格はMサイズ2,277円(税込)です。サイズはSからLLまであります。
材質とサイズの表はミドリ安全.comの商品ページで見られます。切れにくさの等級も、同じページの規格の欄に表示されています。
同じ商品ページには、絶対に切れない手袋ではないとも書かれています。等級が自分の作業に足りるかは、扱う物と刃の形で変わります。
扱う物によって条件が変わるので、取扱説明書を読んでから使ってください。手袋が切れたり薄くなったりしたら、そこで交換します。
手袋を使ってはいけない作業は法令で決まっている
手袋は、着ければ安全になる物ではありません。回転する刃物の作業では、法令で使用が禁じられています。
労働安全衛生規則の第111条では、ボール盤や面取り盤など回転する刃物に手が巻きこまれるおそれがあるとき、事業者は労働者に手袋を使わせてはならないと決められています。
働く人の側も、使用を禁止されたら手袋を使ってはいけないと同じ条文に書かれています。会社の決まりではなく、法令の話です。
- 回転する刃物(ボール盤・面取り盤など)の作業で手袋を使う
- 指先がほつれた手袋を使い続ける(機械に引っかかりやすくなる)
- 薬品がしみこんだ手袋を使い続ける(かえって皮膚を傷める)
- ぬれた手袋のまま電気の作業をする
- 手が大きく見えるほどぶかぶかの手袋を使う(巻きこまれる危険が増す)
スマホで指示や図面を見る現場では、手袋をしたまま操作できる物も選べます。静電気を嫌う現場では、静電気対策の手袋やリストバンドがあります。
手袋をしたままスマホを操作できる作業用手袋はこちらの記事を参考にしてください。
現場で使える静電気対策グッズはこちらの記事を参考にしてください。
足を守る保護具の選び方:安全靴は名前ではなく規格で確かめる
足を守る保護具は安全靴と安全長靴です。見た目がスニーカーでも、つま先に先芯(足を守るかたい板)が入っていれば作業靴になります。
選ぶときに見るのは、商品名ではなく規格の表示です。JIS規格の安全靴と、JSAA規格のプロスニーカーでは求められる性能がちがいます。

図のちがいを、言葉でまとめます。
- JIS規格の安全靴:国の規格(JIS T 8101)に合わせて作られた靴。作業区分はU・H・S・Lの4つ
- JSAA規格のプロスニーカー:協会の基準に合わせた作業靴。A種(普通作業用)とB種(軽作業用)がある
- 現場によっては「JIS規格品」を指定される。その場合、JSAA規格の靴では現場に入れない
JIS規格の作業区分は4つあります。U=超重作業用・H=重作業用・S=普通作業用・L=軽作業用です。
重い物を扱う現場でHを指定されることがあります。指定の有無を先に確かめてください。
ぬれた床で働く人は耐滑の表示も見る
すべりやすい床で働く人は、耐滑(すべりにくいこと)の表示も見てください。食品工場のように水や油で床がぬれる現場では、靴底の作りで転びやすさが変わります。
JIS規格の安全靴には、耐滑性の等級としてF1とF2の表示があります。F2のほうが、すべりにくさの基準が高い表示です。
食品工場のように床が水や油でぬれる現場では、長靴を選ぶ人も多いです。ミドリ安全.comの耐滑抗菌長靴 ハイグリップ HG2000Nスーパーは、22.0cmから28.0cmまであって3,828円(税込)です。
ただしこの長靴には、つま先を守る先芯が入っていません。重い物を落とすおそれのある場所では、先芯の入った安全長靴を選んでください。
JIS規格の安全靴の例と、小さいサイズ
規格の表示が実際にどう書かれているかを、1足の例で見てみます。ミドリ安全.comの安全靴「G3550」の規格の欄は「JIS T8101 CⅠ/S/P1/F1」です。
このうちSが普通作業用、F1が耐滑性の等級です。元請けに「JIS T8101のS区分です」と見せられる表示になっています。
22.0cmから選べて4,444円(税込)。JIS規格品を指定される現場に持っていける1足です
- 規格の表示は「JIS T8101 CⅠ/S/P1/F1」。Sは普通作業用
- 甲は牛革、つま先の先芯は樹脂製。重さは両足で830g
- 標準は23.5〜28cm(足幅3E)。小サイズ(22.0〜23.0cm)と大サイズもある
- 靴底がすり減ると出てくるスリップサイン付き
- ミドリ安全.comの販売価格は4,444円(税込・税抜4,040円)。小サイズも同じ価格
\安全靴 G3550の購入はこちら/
安全靴はいつ替える?
靴には、ヘルメットのような年数の目安がありません。見た目で判断することになります。
- つま先の先芯が見えている、または変形している
- 靴底がすり減って模様が消えている
- 靴底と本体がはがれてきている
- 甲の革や布が破れて、中が見えている
- サイズが合わず、中で足がすべる(買い替えの理由になる)
1つでも当てはまったら、年数に関係なく交換します。会社支給の靴なら、この状態を担当者に見せて交換を頼んでください。
安全靴の劣化の見きわめ方と交換の時期はこちらの記事を参考にしてください。
安全靴のおすすめと選び方はこちらの記事を参考にしてください。
高所作業の墜落制止用器具は使う前の点検まで含めて選ぶ
高い所で作業する人の保護具が墜落制止用器具です。フルハーネス型と胴ベルト型があり、使える高さの条件が決まっています。
そもそもの決まりは、労働安全衛生規則の第518条にあります。高さ2m以上の場所で墜落の危険があるときは、まず足場などで作業床を設けることになっています。
作業床を設けるのが難しいときに、防網を張ったり要求性能墜落制止用器具を使わせたりする、という順番です。
どの高さでフルハーネス型にするかや、特別教育が要るかどうかは、別に決まりがあります。ここは下の記事でくわしく説明しています。
買うときに見るのは、体に合う大きさと、ランヤード(命綱の部分)の長さです。着こむ季節はベルトの長さが変わるので、服の上から調整し直してください。
墜落制止用器具は、買ったあとの点検まで含めて1セットです。縫い目のほつれや金具の変形は、使う前に毎回確かめます。
一度でも落ちたときの衝撃を受けた器具は、見た目に異常がなくても使いません。その場で判断せず、すぐ会社に報告して交換してもらってください。
点検で見るのは、ベルトだけではありません。フック・ランヤード・ショックアブソーバ・バックルも、使う前に毎回見ます。
フルハーネスの義務化で何が変わったかはこちらの記事を参考にしてください。
季節で変わる保護具の困りごとと、現場でそろえたい道具
保護具は、季節によって使いにくさの中身が変わります。夏と冬で困ることを分けて考えると、対策が立てやすくなります。
夏はムレと暑さで外したくなる
夏はヘルメットの中が蒸れ、保護めがねがくもります。マスクは息苦しくなり、どれも外したくなります。
対策は、保護具をやめることではありません。通気口のあるヘルメット、くもり止め加工のレンズ、排気弁つきのマスクを選ぶことです。
首を冷やす物や、ヘルメットの中に入れるインナーも使えます。ただし、ヘルメットの中に入れる物はメーカーが認めている物にしてください。
足の蒸れも夏の悩みです。靴の中が蒸れると、夕方に足が痛くなったり、においが出たりします。
靴を替えなくてもできることから試してください。中敷を通気性のあるものに替える・汗を吸う靴下にする・帰ったら中敷を出して乾かす、の3つです。
それでも変わらないなら、通気性のいい安全靴への買い替えを考えます。甲の部分にメッシュや通気の穴がある作りかどうかを見てください。
ただしメッシュの靴は、水や火花に弱いものがあります。自分の現場で使えるかを確かめてから選んでください。
現場の熱中症対策とおすすめグッズはこちらの記事を参考にしてください。
冬は厚着で保護具が合わなくなる
冬は手袋が厚くなり、細かい作業がしにくくなります。防寒着を着こむと、墜落制止用器具のベルトの長さも変わります。
厚手の手袋に替えたら、工具が握れるかを先に試してください。握りにくいまま作業すると、落とす危険が増えます。
暗くなるのが早い時期は、手元を照らす道具もそろえておくと安全です。頭に着けるライトなら、両手を使ったまま照らせます。
現場でも防災でも使えるヘッドライトはこちらの記事を参考にしてください。
保護具の点検・交換・保管はどう決める?
保護具は、使うほど性能が落ちていきます。使わずに置いておいても、日光や温度で材質が傷みます。
ヘルメットの交換の目安は、日本ヘルメット工業会がまとめています。材質によって年数がちがいます。

ABS・PC・PEなどの帽体は使い始めから3年以内、FRPなどの帽体は5年以内が目安です。あごひもや着装体(頭に当たる部分)は1年以内とされています。
この年数は法律で決まったものではありません。工業会は、屋外でさらす試験の結果をふまえて目安を決めたと説明しています。
自分のヘルメットがどの材質かは、内側の「労・検」ラベルで確かめられます。材質が書かれているので、3年なのか5年なのかはそこで決まります。
使い始めた日が分からないヘルメットもあります。工業会は、最近の警告ラベルに使用年月を書きこめるようになっていると説明しています。
新しく配られたら、その場で使用年月を書きこんでください。班のヘルメットをまとめて管理している会社なら、担当者に台帳があるか聞いてみてください。
年数の前に、点検で交換が決まることもある
目安の年数を待たずに交換する場合もあります。ミドリ安全の取扱説明には、次のように書かれています。
部品類に異常が認められた場合は、ただちに交換してください。
同じ取扱説明では、修繕をしないようにとも書かれています。自分で直して使い続けないでください。
衝撃を受けたときの扱いは、日本ヘルメット工業会がはっきり書いています。
一度でも大きな衝撃が加わったヘルメットは絶対に使用しないでください。
外から見て割れていなくても、内側が傷んでいることがあります。ぶつけたヘルメットは、その場で会社に報告してください。
保管のしかたで寿命が変わる
直射日光と高い温度は、樹脂を傷めます。車のダッシュボードに置きっぱなしにしないでください。
汚れは中性洗剤を湿らせた布で拭き取ります。シンナーやベンジンのような有機溶剤は、帽体を傷めるので使いません。

保護具は会社支給か自腹か?自分で買うときの値段の目安
保護具をそろえる責任は、基本的に会社にあります。厚生労働省は、保護具着用管理責任者という役割の職務を、次のように示しています。
① 保護具の適正な選択に関すること。 ② 労働者の保護具の適正な使用に関すること。 ③ 保護具の保守管理に関すること。
この責任者は、化学物質のリスクを調べる対象になっている物を扱う職場などで選ぶ決まりです。選んだときは、名前を職場の見やすい場所に掲示することになっています。
この制度が当てはまる職場では、選ぶ・使う・保守するところまでを会社が見ることになります。当てはまらない職場でも、保護具を備えるのは事業者の役割です。
支給された物が合わないときは、がまんせずに担当者へ伝えてください。自分の職場にこの責任者がいるかは、安全衛生の担当者に聞けば分かります。
それでも自分で買い足す人は多い
実際には、支給品に加えて自分で買う人がいます。サイズが合わない、くもる、耳が痛いといった使い心地の問題です。
この記事で確かめた値段を並べます。いずれもミドリ安全.comの販売価格で、2026年9月25日に確認しました。
- 耳栓 No.10(1組):227円(税込・税抜206円)
- 3M セキュアフィット SF402AF(保護めがね):1,562円(税込・税抜1,420円)
- ビジョンベルデ VS-302H(保護めがね):2,123円(税込・税抜1,930円)
- ヘルメット SC-11B RA KP:2,156円(税込・税抜1,960円)
- 耐切創性手袋 No.445(Mサイズ):2,277円(税込・税抜2,070円)
- ビジョンベルデ 小型 保護めがね VS-103F:2,607円(税込・税抜2,370円)
- 安全靴 G3550(ひもタイプ):4,444円(税込・税抜4,040円)
- 使い捨て式防じんマスク ハイラック355(10枚入):4,092円(税込・税抜3,720円)
ヘルメット2,156円と保護めがね2,123円と耳栓227円で、合計4,506円(税込)です。ここに安全靴G3550の4,444円を足すと、8,950円(税込)になります。
1回の買い物でいちばん高いのは安全靴です。ただし使い捨てのマスクは毎月かかるので、続けて自分で買うといちばん高くつきます。
毎日1枚なら月に20枚で、8,000円を超える計算です。安全靴とマスクは会社が用意していることが多いので、買う前に支給の有無を確かめてください。
通販を使わない人は、作業服店やホームセンターでも同じような物が買えます。店頭なら、かぶり心地やサイズをその場で試せます。
- 安全靴は小さいサイズの型番があるか見る。この記事のG3550は小サイズが22.0cmから
- 長靴も22.0cmからある(この記事のHG2000Nスーパー)。中で足がすべるなら買い替えの理由になる
- 保護めがねは横幅で選ぶ。この記事のVS-103Fは横幅139mm・27gの小型
- ヘルメットは頭囲の範囲を見る(この記事のSC-11Bは55〜62cm)
- 防じんマスクは顔に合わないとすき間ができる。スモールサイズのある製品を選ぶ
- 手袋はSサイズがあるか確かめる。この記事のNo.445はSからLLまである
- 支給品に小さいサイズがあるか、会社の担当者に聞いてみる
会社に伝えるときの言い方
合わない物をがまんして使っても、いいことはありません。言い出しにくい人は、次のように事実だけを伝えてください。
- 「支給された靴が大きくて、中で足がすべります。22.5cmはありますか」
- 「支給されためがねが大きくて、横からすき間が空きます。小さいサイズはありますか」
- 「手袋がぶかぶかで、指先が余ってしまいます。Sサイズをお願いできますか」
- 「ヘルメットの使用年月が書かれていないのですが、交換の時期は分かりますか」
- 「靴底がすり減って、ぬれた床ですべります。交換はどう申請しますか」
感想ではなく、起きていることを伝えるのがコツです。パートやアルバイトでも、安全にかかわることは言ってかまいません。
保護具の選び方でよくある質問
保護具について、よく調べられている疑問に答えます。
保護具を着用する理由は何ですか?
危険そのものを無くす対策をしても、危険が残ることがあるからです。残った危険から体を守る最後の手段が保護具です。
作業の手順を守ったうえで着けるものだと考えてください。保護具を着けたから危ないことをしてよい、とはなりません。
保護具着用の掲示はどのようにすればいいですか?
作業場の入口や、その作業をする場所の見やすいところに掲示するのが一般的です。「保護めがね着用」のような標識が市販されています。
保護具着用管理責任者を選んだ職場では、その人の名前も見やすい場所に掲示することになっています。掲示の内容は、会社の安全衛生の担当者が決めます。
保護手袋にはどんな種類がありますか?
種類は耐切創手袋・化学防護手袋・絶縁用の手袋・防寒手袋・静電気対策の手袋などです。守る相手が切り傷か薬品か電気かで、まったく別の物になります。
1双で何でも守れる手袋はありません。作業ごとに替えるのが前提です。
保護帽の耐用年数はどれくらいですか?
日本ヘルメット工業会の目安は、帽体の材質で3年以内または5年以内です。あごひもと着装体は1年以内とされています。
自分の帽体の材質は、内側の「労・検」ラベルで確かめられます。点検で異常が見つかったら、年数を待たずに交換します。
自分で買った保護具を現場で使っていいですか?
会社が決めているのが規格なのか、商品名なのかで答えが変わります。規格の指定なら、その規格に合う物を自分で買っても使えることがあります。
商品名まで指定されている現場では、勝手に替えられません。買う前に、安全衛生の担当者か元請けの担当者に確かめてください。
聞くときは「支給品のここが合わないので、同じ規格の別の物を自分で用意してよいですか」と伝えてください。会社が費用を出してくれる場合もあります。
自分で買い足すなら、どれから始めればいいですか?
数百円で試せる物から始めるのが、失敗しにくい方法です。機械の音が大きくて会話がしにくい場所なら、耳栓が手を出しやすい保護具です。
ただし耳栓は、どこでも使っていい物ではありません。フォークリフトや車が動く場所では、警報や呼びかけが聞こえることのほうが大事です。
自分の持ち場で耳栓を使っていいかは、会社の安全担当者に確かめてください。音の大きさは職場ごとに測った結果で決まります。

227円(税込)から試せるので、機械の音が大きい持ち場の1つ目に向きます
- 1組227円(税込・税抜206円)で試せる
- SNR値は18dB(数字が大きいほど、音を抑える性能が高いという表示)
- 傘型の形で、紐付きなので落としにくい
- 持ち運び用のケースが付いている
遮音によって事故が起きるおそれのある作業には使わないよう、商品ページに書かれています。音の大きさに対して18dBで足りるかは、職場で測った値と合わせて判断してください。
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まとめ:保護具は危険源・規格の表示・サイズ・点検の順で決める
保護具選びは、道具を探すところから始めると失敗します。自分の作業にどんな危険源があるかを書き出すところから始めてください。
次に、その危険に合う保護具を規格の表示で確かめ、体に合う大きさを選びます。最後に、点検と交換の決まりまで含めて1セットにします。
- 保護具は最後の砦。まず危険そのものを減らす対策が先にある
- 守る部位からではなく、危険源から保護具を決める
- 保護帽は内側の「労・検」ラベルで使用区分を確かめる
- 呼吸用保護具は、酸素濃度を見てから有害物質の種類で選ぶ
- 手袋は切創・薬品・電気で別物。回転する刃物の作業では法令で使用が禁じられている
- 安全靴は商品名ではなく、JIS規格かJSAA規格かで確かめる
- 高さ2m以上の作業は、まず作業床。難しいときに墜落制止用器具を使う
- ヘルメットの交換の目安は帽体3年か5年、着装体とあごひもは1年
- 選ぶ・使う・保守する責任は会社にある。合わない物はがまんせず伝える

この記事は保護具全体の入口です。部位ごとのくわしい選び方は、それぞれの記事で説明しています。
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「保護具着用管理責任者」(2026-09-25に確認)
- 一般社団法人 日本ヘルメット工業会「FAQ(よくある質問と回答)」(2026-09-25に確認)
- 株式会社 重松製作所「保護具の選択」(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全「ヘルメット(保護帽)の取扱説明」(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全フットウェア「安全靴の規格」(2026-09-20に確認)
- e-Gov法令検索 労働安全衛生規則 第111条・第518条(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 ビジョンベルデ 保護めがね VS-302H(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 ビジョンベルデ 小型 保護めがね VS-103F(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 安全靴 G3550(ひもタイプ)(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 ヘルメット SC-11B RA KP(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 使い捨て式 防じんマスク ハイラック355(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 耐切創性手袋 No.445 カットレジスト(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 3M セキュアフィット SF402AF(2026-09-25に確認)
- ミドリ安全.com 公式通販 耳栓 No.10 紐付 フリーサイズ(2026-09-25に確認)
- 情報は確認した日のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください


















