台風・大雨・大雪・寒波は、毎年ほぼ同じ時期にやってきます。それでも現場では、来るたびに「今日はやるのか」「何を持っていけばいいのか」で迷います。
迷う理由は、季節ごとの情報がばらばらだからです。この記事では、1年の荒天をまとめて、働く人の目線で整理しました。
考え方は3つに分けると迷いません。中止の基準を知る・前の日に備える・自分の装備をそろえるの3つです。
作業中止の基準は、労働局の資料と法令の条文で確かめました。天気の情報は気象庁の説明で、商品はミドリ安全.comなどの公式ページで、2026年9月28日に確認しています。

- 工事現場の台風対策で、作業を止める基準(強風・大雨・大雪の数字)
- 台風・大雨・大雪の前の日に、自分でやること
- 梅雨・線状降水帯・寒波に、季節ごとに備えるもの
- 早期注意情報・注意報・警報を、現場の判断にどうつなげるか
- 雨具・防寒・滑り止めなど、自分でそろえる装備と値段
- 作業が中止になったときの連絡と給料の考え方
- 作業中止の基準は、鳥取労働局(厚生労働省)の資料と、e-Gov法令検索の条文で確かめました
- 警報・注意報の段階は、気象庁「気象警報・注意報」の説明で確かめました
- 引用はすべて原文のまま載せ、出典のリンクを記事の最後にまとめました
この記事は、台風・雪・梅雨などの記事の入口です。くわしい話は、それぞれの章の最後に置いた記事で説明しています。
屋外で雨に当たる作業がある人は、上下に分かれたレインスーツを1着持っておくと安心です。屋内の持ち場の人は、この先の本文から読んでください。

雨の中で動く屋外作業向けの、上下に分かれたレインスーツです
- 台風や梅雨の屋外作業で、袖口と前の合わせから雨が入りにくい作り(深めの二重袖・ダブルフラップ)
- 上下に分かれているので、しゃがむ・はしごを上がる動きでもすそがじゃまにならない
- 表はポリエステルにPVCをはり合わせた生地で、汚れに強い。サイズはSから5Lまで
- ミドリ安全.comの販売価格は5,159円(税込・税抜4,690円)
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工事現場の台風対策は?悪天候の作業中止の基準は法令で決まっている
台風や大雪の日に作業を止めるかどうかは、現場の気分で決めるものではありません。止めなければならない作業が、法令で決まっています。
2024年に台風10号が近づいたときも、鳥取労働局は事業者に向けて、悪天候時の作業中止の決まりを守るよう呼びかけました。労働安全衛生法には、悪天候のときに止める作業と、させてはならない作業が定められています。
代表的なのが、労働安全衛生規則(略して安衛則)の第522条です。高さ2m以上の場所で、悪天候のために危険が予想されるときは、その作業をさせてはならないと決められています。
強風・大雨・大雪は数字で決まっている
「悪天候」の中身には、国の解釈の数字があります。鳥取労働局の資料では、昭和46年の通達(基発第309号)の解釈として次の3つが示されています。
古い通達ですが、今も労働局が悪天候の説明に使っている数字です。

- 強風:10分間の平均風速が毎秒10m以上の風
- 大雨:1回の降雨量が50mm以上の雨
- 大雪:1回の降雪量が25cm以上の雪
- これとは別に、瞬間風速が毎秒30mをこえるおそれがあるときは、屋外の走行クレーンに逸走防止装置を働かせるなどの措置が決められている
実際にこの天気になったときだけでなく、注意報や警報が出て予想されるときも含みます。同じ資料に、その趣旨がはっきり書かれています。
大雨と大雪の数字は「1回の」量で、1時間あたりの量とは書かれていません。天気予報の「1時間に◯mm」とそのまま比べる数字ではない、ということです。
「1回」がどこからどこまでかは、通達の言葉には書かれていません。注意報や警報の基準は市町村ごとにちがうので、注意報が出てもこの数字に届くとはかぎりません。
止めるかどうかを決めるのは、予報の雨量や風速を見た現場の責任者です。働く人は、注意報や警報を「作業が止まるかもしれない合図」として受け取り、連絡を待つ準備をしておきます。
止める作業は高所・足場・クレーンが中心
同じ資料には、悪天候で止めなければならない作業が並んでいます。主なものは次のとおりです。
- 高さ2m以上の場所での作業(安衛則第522条)
- 足場の組立て・解体・変更の作業(安衛則第564条)
- 型わく支保工(コンクリートの型枠を下から支える仮の柱など)の組立て・解体の作業(安衛則第245条)
- クレーン・移動式クレーン・デリックの作業(強風のとき・クレーン等安全規則)
- ゴンドラを使う作業(ゴンドラ則第19条)
悪天候のあとに点検が決められている作業もあります。同じ資料では、足場(安衛則第567条)・作業構台・ゴンドラなどが挙がっています。
大雨のあとは、掘削の現場や土止め支保工(掘った穴のまわりの土が崩れないように支える物)の点検も決められています。再開の前に、責任者がこれらを確かめてから作業に入る流れです。
倉庫や工場の中の作業は、この一覧にほとんど入っていません。屋内の人は、作業そのものより通勤と帰宅の判断が中心になります。
台風が近づいたら前の日にやること
台風は、雪や雷とちがって何日も前から進路が分かります。前の日にやることを決めておけば、当日の朝はあわてずにすみます。

図のチェックリストを、言葉でも書いておきます。
- 早期注意情報と、明日までの警報の見通しを見る
- 中止や自宅待機の連絡をどこで受けるか確かめる(班長の電話・会社のグループなど)
- 通勤の手段と、家を出る時間を決めておく
- 雨具・替えの靴下・手袋をかばんに入れる
- 持ち場の資材と工具を片づけ、飛ばないようにする
- 雪の予報なら、すべりにくい靴と滑り止めを出しておく
足場のシートをたたむ、クレーンのジブを下ろすといった養生は、責任者が段取りを決めます。自分の担当が決まっていなければ、前の日のうちに班長に聞いておいてください。
台風のシーズンは、年によって長さが変わります。いつまで気をつければいいかは、下の記事で過去の台風の記録から説明しています。
台風はいつまで気をつければいいかはこちらの記事を参考にしてください。
通勤の途中で足止めされたときに備えて、持ち歩くものも決めておくと安心です。
台風のときの避難と、持ち歩くと便利なものはこちらの記事を参考にしてください。
大雨・浸水に備える:土のう・止水板と、水が出たときの注意
大雨でこわいのは、現場や倉庫の入口から水が入ることです。資材や製品がぬれるだけでなく、ぬれた床で転ぶ人も出ます。
入口を守る道具は、土のうと止水板が中心です。土を詰める昔ながらの土のうのほか、水を吸ってふくらむ吸水性の土のうもあります。
吸水性の土のうは、使う前は薄くて軽いので倉庫に置いておけます。箱単位で売られているので、会社がまとめて備える物です。
働く人は、自分の持ち場の近くに、どこに何袋あるかを知っておくだけで動きが変わります。
土のうと水のうの違いと、置く場所はこちらの記事を参考にしてください。
水が出たら、ひざ下でも歩かない
浸水した道は、見た目より深く、流れも速いことがあります。ふたの外れたマンホールや側溝は、水の上からは見えません。
- 冠水した道を歩いて渡る・車で通る
- 増水した川や用水路を見に行く
- ぬれた手のまま電源や延長コードにさわる
- 水につかった資材や機械を、点検の前に動かす
帰り道が冠水していたら、無理に通らず会社にとどまる判断も必要です。自分の通勤路が浸水しやすい場所かは、ハザードマップで前もって見ておけます。
浸水のときの注意点と、備えておきたい物はこちらの記事を参考にしてください。
水害の危険がある地域と、ハザードマップの見方はこちらの記事を参考にしてください。
台風と水害にそなえて家に置いておく防災グッズは、下の記事で一覧にしています。
梅雨と線状降水帯の備え:長雨の季節は足元と体調から
梅雨は、台風ほど強くない雨が何週間も続く季節です。現場で困るのは、1日の大雨より、ぬれた服と靴で働く日が続くことです。
靴の中がぬれたままだと、足がふやけて皮がむけたり、においが出たりします。替えの靴下を1足かばんに入れておくだけで、午後がずいぶん楽になります。
床がぬれる場所では、転ぶ人が増えます。倉庫の入口や、食品工場の出入り口のマットは、長雨の時期ほど大事です。
梅雨はいつからいつまでかと、水害への備えはこちらの記事を参考にしてください。
近年は、同じ場所に何時間も強い雨が降る線状降水帯も話題になります。短い時間で道路が冠水するので、帰る時間を早める判断が必要になることがあります。
線状降水帯とは何かと、起きたときの対策はこちらの記事を参考にしてください。
現場の雪対策:大雪と寒波の前にやる凍結・スリップ・防寒の準備
雪と寒波で増えるのは、転ぶ事故と、体が冷えて動きがにぶることです。準備は足元・路面・体の3つに分けて考えます。
- 足元:すべりにくい靴、靴に着ける滑り止め
- 路面:凍結防止剤・すべり止めのマット・雪をどかす道具
- 体:首・手・足先を冷やさない防寒
雪がめったに降らない地域ほど、準備がないまま当日を迎えます。ミドリ安全は、雪対策と除雪用品の特集ページをこう書き出しています。
ふだん雪が降らない地域が大雪に見舞われたり、集中豪雪で車が長時間立ち往生するといった被害が相次いでいます。
雪かきの道具や車の脱出用品まで、くわしくは下の記事で比べています。ここでは、働く人が自分で用意しやすい物にしぼります。
雪対策グッズを足元・車・事業所に分けて選んだ記事はこちらを参考にしてください。
凍った路面には靴に着ける滑り止め
雪の日だけ、ふだんの靴に着ける滑り止めがあります。毎日の靴を替えなくてよいので、雪の少ない地域の人に向いています。
1,331円(税込)で、ふだんの靴を雪の日の通勤用にできる滑り止めです
- 凍った道の通勤だけ、ふだんの靴にかぶせて使える
- ゴムに波線の溝を入れた作りで、金属のピンがない。床に上がっても傷をつけにくい
- 適合する靴のサイズは23.0〜28.5cm。2個で94g
- ミドリ安全.comの販売価格は1,331円(税込・税抜1,210円)
ミドリ安全.comの送料は全国一律450円(税込・沖縄と離島は除く)で、これだけ買うと合計1,781円です。作業服店やホームセンターでも、同じような滑り止めが売られています。
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お店の入口や、事務所の階段のように凍りやすい場所には、敷くタイプのマットも使えます。凍ってしまった路面には、解氷スプレーで氷をとかす方法もあります。
雨や凍結の日の転倒を防ぐ滑り止めマットはこちらの記事を参考にしてください。
解氷スプレーの使い方と注意点はこちらの記事を参考にしてください。
寒波の日は氷点下を前提に準備する
寒波の朝は、日中も気温が0℃を下回る日があります。指先と足先が冷えると、工具を落としたり、つまずいたりしやすくなります。
防寒は、首・手首・足首の3つの「首」を先に守ると効きます。マフラーは機械に巻きこまれるおそれがあるので、現場ではネックウォーマーにしてください。
氷点下の日を快適に過ごすアイテムはこちらの記事を参考にしてください。
雪の日の通勤と帰宅の判断:早めに決める
雪の日に困るのは、現場より行き帰りだという人も多いはずです。電車が止まり、道が凍り、車も進まなくなります。
帰れなくなるより、早く帰るほうがずっと安全です。予報で夕方から雪が強まるなら、昼の時点で上長と帰る時間を決めておきます。
- 前の日:予報と会社の連絡のしかたを見て、出勤の手段を決める
- 朝:駅や道が凍っていたら、いつもより10分早く出て、歩幅を小さくする
- 昼:夕方の予報を見て、帰る時間を上長と決める
- 帰り:車は無理に出さない。歩くなら、すべりにくい靴に替えてから出る
関東のように雪の少ない地域でも、何年かに一度は大雪になります。去年までの記録から、いつ降りやすいかを下の記事でまとめています。
東京に雪はいつ降るかと、今からできる対策はこちらの記事を参考にしてください。
雪の日の行き帰りに履く、先芯入りの防寒スニーカー
雪国の現場や、冬に屋外の荷さばきがある人は、靴そのものを冬用にする手もあります。つま先に先芯(足を守るかたい板)が入った、寒冷地用のスニーカーです。

雪の日の行き帰りと屋外の軽い作業を1足でこなせる、冬用の先芯入りスニーカーです
- 雪がしみにくい簡易防水の作り。かかと側で高さ150mmあり、足首まで覆う
- JSAA認定A種(普通作業用)のプロスニーカー。つま先に樹脂の先芯
- サイズは23.0〜29.0cm、足幅はEEE。両足で1,090g(26.0cm)
- ミドリ安全.comの販売価格は8,261円(税込・税抜7,510円)
季節限定の商品で、注文したあとはキャンセルできません。
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簡易防水は、長く水につかる場所を想定した作りではありません。雪どけの水たまりが多い現場では、長靴のほうが向いています。
雪・氷・冷凍庫で選ぶ防寒安全靴はこちらの記事を参考にしてください。
季節を通して自分でそろえる装備:雨具・手袋・防寒
会社が決めるのは、作業を止めるかどうかと現場の養生です。自分の体を守る雨具や手袋は、自分でそろえる人が多い物です。
1年を通して、次の順でそろえると無駄がありません。
- 雨具(上下に分かれたレインスーツ)…台風・梅雨・雪の日まで使う
- ぬれても握れる手袋 … 雨の日の荷さばきと、雪かきに使う
- 防寒の手袋とネックウォーマー … 12月から2月の屋外に使う
- 替えの靴下 … どの季節でも、かばんに1足
雨具は上下に分かれたレインスーツを選ぶ
現場の雨具は、ポンチョより上下に分かれたレインスーツが向いています。しゃがむ・はしごを上がるといった動きで、すそがじゃまにならないからです。
記事の最初で紹介したAP300は、Sサイズから5Lまであります。Sでも大きい小柄な人は、袖とすそを折って、動きのじゃまにならないかを試着で確かめてください。
雨具は、上着の袖を手袋の外にかぶせて着ると、手首から水が入りにくくなります。ズボンのすそは長靴の外に出すのが基本です。
- 雨具は上下に分かれた物。ポンチョは動きの多い作業に向かない
- サイズは服の上から着られる大きさ。冬は防寒着の上に着る
- 手袋は、ぬれても握れるコーティングの物を1双
- 靴は、会社が指定する規格(JIS・JSAA)に合わせてから冬用を選ぶ
- 暗い時間に動く人は、目立つ色か反射材のある物
ぬれても握れる手袋と、防寒の手袋
雨の日に軍手を使うと、水を吸って重くなり、手が冷えます。表面をコーティングした手袋なら、ぬれた荷物や土のうも握れます。
ショーワグローブのテムレスは、防水と汗の湿気を逃がす作りを両方持った作業用手袋です。メーカーはこう説明しています。
透湿性と防水性を兼ね備えた素材を採用。汗などの湿気を手袋外部に放出することで、作業中のムレを軽減します。
雨の日の荷さばきや土のう運びに使える、防水で蒸れにくい作業用手袋です
サイズはSからLLまであり、手の小さい人も選べます。
薬品・熱・電気の作業と、回転する機械には使えません。
寒い時期は、同じシリーズに裏起毛の「防寒テムレス No.282」があります。メーカーは、マイナス60℃の環境でも柔らかさを保つと説明しています。
雪かきや冬の屋外作業で、ぬれても冷えにくい裏起毛の防水手袋です
サイズはM・L・LLです。Sサイズはありません。
メーカーの使用上の注意には、冷気を完全に遮断する機能はないと書かれています。
楽天とAmazonは時期で値段が変わるので、金額はミドリ安全.comで確かめた商品だけ書いています。通販を使わない人は、作業服店やホームセンターでも同じような手袋や雨具が買えます。
首の防寒には、機械に巻きこまれにくい輪の形のネックウォーマーを使います。選び方と、火花の飛ぶ場所で気をつけることは下の記事にまとめました。
作業用ネックウォーマーの選び方と、マフラーが危ない理由はこちらの記事を参考にしてください。
工事現場の防寒対策と、首・手・足の冷え対策はこちらの記事を参考にしてください。
天気予報の見方:早期注意情報・注意報・警報を現場の判断につなげる
天気の情報は、危なさに合わせて段階的に出ます。どの段階で何をするかを決めておくと、判断が早くなります。
気象庁は、情報の出し方をこう説明しています。
警報級の現象が5日先までに予想されているときには、その可能性を 「早期注意情報(警報級の可能性)」 として[高]、[中]の2段階で発表しています。
数日前に早期注意情報、危なさが高まるにつれて注意報、警報と進むのが基本の流れです。

図の5つの段階を、言葉でも並べます。
- 早期注意情報:5日先までに警報級の現象が予想されるとき、[高][中]の2段階で出る
- 注意報(レベル2):避難の場所や道順を確かめる段階
- 警報(レベル3):おおむね3〜6時間先に重大な災害が予想されるときに出る
- 危険警報(レベル4):大雨・土砂災害・氾濫・高潮で、危険な場所から全員避難
- 特別警報(レベル5):命の危険。ただちに身の安全を確保する
段階ごとに、現場でやること
働く人の目線で、段階とやることを結びつけるとこうなります。
- 早期注意情報が[高]:その日の予定と、中止の連絡の受け方を確かめる
- 注意報:屋外の資材を片づけ始める。帰り道が危ないところを思い出しておく
- 警報:高所や足場の作業は止まる前提で動く。帰る時間を上長と決める
- 危険警報・特別警報:仕事より身の安全。会社に向かわない、会社から出ない判断もある
早期注意情報も警報も、気象庁のホームページで地域を選ぶと見られます。
大事なのは、[高]や[中]が出ていなくても急に警報が出る日があることです。気象庁も、いつ警報が出ても動けるように、ふだんから考えておくよう呼びかけています。
警報の発表の基準は、市町村ごとに決められています。同じ雨の量でも、住んでいる町と現場の町で出る情報がちがうことがあります。

荒天で作業が中止になったら、給料や連絡はどうなる?
働く人がいちばん気にするのは、中止の日のお金の扱いです。ここは会社の決まりと働き方で変わるので、見るところを具体的に書きます。
労働基準法の第26条には、使用者の都合で休ませたときは、平均賃金の6割以上の休業手当を払うという決まりがあります。台風や大雪による中止がこれに当たるかは、休みになった理由で判断が分かれます。
自分の場合を知るには、次の3つを見ます。
- 就業規則の「休業」「天災」「臨時休業」の項目(どう扱うかが書いてある)
- 日給か月給か(日給の人ほど、中止の日の扱いが収入に直結する)
- 会社が「自宅待機」と言ったのか「休み」と言ったのか(言い方で扱いが変わることがある)
分からないときは、班長や総務の担当に「台風で中止の日は、給料はどう計算されますか」と聞いてください。前もって聞いておけば、当日にあわてません。
中止の連絡をどう受けるか
連絡の受け方は、前の日に決めておきます。朝になって電話がつながらない、というのがいちばん困るからです。
- 何時までに、誰から、どの手段(電話・グループの連絡)で来るか
- 連絡が来ないときは、出勤するのか待つのか
- 途中で帰るときに、誰に伝えればいいか
職種で変わる荒天の影響:建設・倉庫・食品工場
同じ台風でも、職種によって困ることがちがいます。自分の仕事に近いところから読んでください。
建設・土木:作業そのものが止まる
高所・足場・クレーンの作業は、この記事の最初の章の基準で止まります。足場などは、悪天候のあとに点検してから再開する決まりです。
前の日の片づけと、当日の連絡の受け方がいちばん大事な仕事になります。雪の日は、足場や鉄骨の上に残った雪と氷にも気をつけます。
倉庫・物流:入口の雨と、トラックの遅れ
倉庫の中は天気の影響を受けにくい一方で、入口のシャッターまわりは雨と雪が吹きこみます。ぬれた床で、フォークリフトや台車がすべりやすくなります。
雨の日に屋外の荷受けでフォークリフトを使うときは、ぬれた路面で止まるまでの距離がのびると考えて、速度を落とします。屋外で使ってよいか、雨の日の決まりがあるかは、職場の作業手順に書かれているはずです。
トラックが遅れると、荷さばきが夜に寄って帰りが遅くなります。帰りの足が止まりそうな日は、早めに上長と相談してください。
倉庫の中の作業は、台風でも止まらないことが多いです。それでも通勤の道が危ないときは、我慢して向かう前に、会社へ状況をそのまま伝えてください。
- 「最寄り駅の電車が止まっていて、復旧の見込みが出ていません」
- 「家の前の道が冠水していて、車を出せません」
- 「警報が出ているので、明るいうちに帰りたいです」
このように、起きていることを具体的に伝えると、会社も判断しやすくなります。
食品工場:通勤と、出入り口のぬれた床
食品工場の中の作業は、天気で止まることはほとんどありません。困るのは、行き帰りと、長靴で出入りする床のぬれです。
シフトの時間が決まっている人ほど、雪の日の遅刻が心配になります。家庭の事情で早く帰る必要がある人は、前の日のうちに職場に伝えておくと安心です。
台風で子どもの学校が休みになる日も、前の日の夕方には分かることが多いです。有給休暇を使うか、シフトを替わってもらうかを、分かった時点で職場に相談しておきます。
長雨や雪の日は、出入り口の床がいつも以上にぬれます。ぬれた床で使う長靴は、すべりにくさを売りにした耐滑の物を選びます。

22.0cmからあって3,828円(税込)。ぬれた出入り口で働く人の耐滑長靴です
- ぬれた床の多い食品工場の出入り口向けの、耐滑をうたった白い長靴
- サイズは22.0cmから28.0cmまで0.5cm刻み。22.5cmもある
- 靴底がすり減ると分かるスリップサイン付き。高さは約30cm(26.0cm基準)
- ミドリ安全.comの販売価格は3,828円(税込・税抜3,480円)
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- ぬれた床の長靴:上で紹介したHG2000Nスーパーは22.0cmから
- 雨具:AP300はSサイズから
- ぬれても握れる手袋:テムレス No.281はSサイズから(防寒のNo.282はMから)
- 靴にかぶせる滑り止めと寒冷地用スニーカーは23.0cmからなので、22cm台の人は長靴のほうが選べる
- 支給品に小さいサイズがあるかは、職場の担当者に聞く
転びにくい長靴の選び方はこちらの記事を参考にしてください。
現場の季節対策でよくある質問
季節の荒天について、よく調べられている疑問に答えます。
悪天候時の作業中止の基準は?
国の解釈では、強風は10分間の平均風速が毎秒10m以上の風です。大雨は1回の降雨量が50mm以上、大雪は1回の降雪量が25cm以上です。
注意報や警報が出て、そうなると予想されるときも含みます。
雨の日でも工事はするのですか?
雨というだけで、すべての作業が止まるわけではありません。止める決まりがあるのは、高所や足場、クレーンなど危険が大きい作業です。
雨の量や風によっては、そのほかの作業も責任者の判断で止まります。現場の決め方は、朝礼や前の日の連絡で確かめてください。
風速10mはどのくらいの強さですか?
毎秒10mは、10分間をならした平均の値です。その10分の間には、これより強い風が吹く瞬間があります。
予報の「最大瞬間風速」は、この平均とは別の数字です。平均と瞬間を分けて読むと、予報が読みやすくなります。
雪対策のグッズは何から買えばいいですか?
働く人なら、まず足元です。凍った道の通勤だけなら、この記事の雪の章で紹介した、ふだんの靴にかぶせる滑り止めが手軽です。
靴にかぶせる滑り止めは23.0cmの靴からなので、それより小さい人は、すべりにくい長靴や靴を先に選んでください。
台風の日に出勤しなかったら、欠勤になりますか?
会社が中止や自宅待機を決めたなら、欠勤とは扱いがちがいます。自分の判断で休んだ場合は、有給休暇を使うかどうかを含めて会社と相談することになります。
危ない道を無理に通って出勤する必要はありません。行けないと分かった時点で、早めに連絡を入れてください。
地震や長い停電に備える防災グッズは、別の記事でまとめています。
災害時に必要な防災グッズはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ:現場の季節対策は、中止の基準・前日の備え・自分の装備の3つで考える
台風・大雨・大雪・寒波は、どれも毎年くる荒天です。来るたびに迷わないよう、3つに分けて決めておいてください。
- 中止の基準:強風は平均風速毎秒10m以上・大雨は1回50mm以上・大雪は1回25cm以上。注意報や警報で予想されるときも含む
- 止める作業:高さ2m以上の作業・足場・型わく支保工・クレーン・ゴンドラなど
- 前日の備え:早期注意情報を見て、連絡の受け方・通勤・持ち物・片づけを決める
- 自分の装備:上下のレインスーツ、ぬれても握れる手袋、冬は滑り止めと防寒
- 給料の扱い:就業規則の「休業」の項目と、日給か月給かを先に確かめる

- 鳥取労働局「台風の通過に伴う強風、大雨等に係る労働災害防止対策等の徹底について」(2026-09-28に確認)
- 鳥取労働局「労働安全衛生関係法令において、悪天候時、地震等の発生時及びその後において講じなければならない措置」(PDF・昭和46年4月15日付け基発第309号の解釈例規を含む)(2026-09-28に確認)
- e-Gov法令検索 労働安全衛生規則 第522条(2026-09-28に確認)
- e-Gov法令検索 労働基準法 第26条(2026-09-28に確認)
- 気象庁「気象警報・注意報」(2026-09-28に確認)
- ミドリ安全.com「雪対策・除雪グッズ・用品おすすめ特集」(2026-09-28に確認)
- ショーワグローブ「テムレス No.281」(2026-09-28に確認)
- ショーワグローブ「防寒テムレス No.282」(2026-09-28に確認)
- ミドリ安全.com 簡易防水仕様 寒冷地用 先芯入りスニーカー MPSW-155(2026-09-28に確認)
- ミドリ安全.com スタッドレス・スパイク フリー(2026-09-28に確認)
- ミドリ安全.com AP300 レインスーツ(2026-09-28に確認)
- ミドリ安全.com 耐滑抗菌長靴 ハイグリップ HG2000Nスーパー(2026-09-28に確認)
- 情報は確認した日のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください






























