5月以降から10月くらいまで気温と湿度が高くなるので、工事現場の作業員さんは空調服を着て働くのが現場の常識です。
空調服を着用すると外気を作業服内に取り込んでくれて涼しくなるので、熱中症を予防できるし作業効率の向上を見込めます。
もうすでに空調服を導入している人が多いですが、空調服の効果がよくわからないという方も少なくはないと思います。
「空調服ってなんとなく使いたくない。」「なんで空調服が涼しくなるのかわからない」という方は読んでみてください。
もくじ
空調服の効果は?
空調服を着用すると涼しく感じる理由は、汗が蒸発するときに発生する気化熱によるもの。
空調服の、腰や脇に付いた小型ファンが外の空気を空調服内に取り込んでくれます。
ファンからの外気が衣服内を循環することで、着用している人の汗を乾かしてその時に発生する気化熱が体温を低下させてくれるので涼しいと感じるのが空調服の原理です。
空調服は、人間の温度調節機能を利用しているのです。
この現象を生理クーラーと言われる原理で空調服を着用すると涼しくなります。
空調服といえば、建築現場や工場で使われるイメージがありますが、アウトドアやレジャーでの熱中症対策としても利用されています。
2020年からはコロナの影響で、空調服を着用している人を目撃する機会は少ないですがキャンプや屋外観戦などで使っている人がたくさんいます。
空調服は基本的に3点セットで使う
空調服は、3点セットで販売されています。
- 専門のウェア
- ファン
- バッテリー
一体型の空調服も販売されていますが、3つに分かれていることがほとんどです。
ファンとバッテリーが、ウェアに内蔵されている一体型の方が、3点セットの商品より安いですが、分かれているタイプの空調服がおすすめです。
理由は、部品交換が簡単で長持ちするから。
ファン部分は埃が溜まるし。配線がおかしくなることが多いし。バッテリーが劣化してしまうこともあります。
分かれていることの一番の利点は、同じメーカーの空調服なら長袖・半袖・ベストなどの種類があるので着せ替えて使えることです。
空調服を購入する時や、買い換えるときは3点セットの空調服を選んだ方がおすすめです!
空調服は毎年各メーカーで新作が誕生しますが、同じメーカーなら進化したファン部分やバッテリーを交換するだけで使えるので、空調服は同じメーカーで揃えてしまうのがおすすめです。
メーカーごとに規格が一緒のことが多いので、ベストタイプ・半袖タイプ・長袖タイプなどの空調作業服にファンやバッテリーは付け替えることができるのはメリットが大きいです。
空調服を着用することのメリット・デメリットは?
空調服は、夏の現場ではメリットが大きいですが、着用する上での注意点もあります。
なので、空調服のメリットとデメリットを紹介します。
空調服のメリット
空調服は思っている以上にメリットが多いです。
作業服が空気で膨らんでしまうので、「着心地」が気になる方もいますがメリットが大きいのですぐ慣れて気にならないと思います。
熱中症対策になる
空調服を使う最大のメリットは熱中症対策になること。
空調服は汗を乾かすことで、涼しく感じるので気温が高い・多湿な環境でも効果があります。
炎天下での作業、工場内で火を扱う現場、人が密集していてエアコンや扇風機が効かない屋内でも着用している人が汗をかいていれば冷却効果が期待できるので熱中症リスクを減らすことができます!
最近でメジャーになりつつある「暑さ指数(WBGT)」でも湿度は大切な指標です。
日本の夏は湿度が以上に高いので、汗をかいても乾きにくく汗をうまく蒸発させるのに空調服はとても有効です。
服の中を換気できるから汗の臭い対策になる
熱中症対策だけではなく、匂い対策にも効果的。
汗の臭いが気になる人に特におすすめです!
嫌な臭いの原因の多くは、汗で雑菌が繁殖してしまうこと。
空調服を着用していれば、服の中を常に換気してくれているので雑菌の繁殖を抑えることができます。
インナーを着替えるだけで、臭い対策をすることができます。
作業効率が向上する
空調服を着用すると、暑くてもテキパキ動くことができます。
実際に現場でしんどそうに作業していた人も、空調服を着用したら快適に作業していました!
空調服を着ていれば、体力が温存できるので連続した作業でも効率的に働けます。
もちろん、暑さは個人によって感じ方が違うので空調服を着用しているからと言って休憩短縮などはできませんが、稼働時間を有効にできるという意味で作業効率アップが期待できます。
コスパがものすごくいい
空調服のランニングコストは、1ヶ月で数十円です。
着用しているとものすごく涼しいのに、電気代がほとんどかからないエコなところも空調服の魅力。
現場でコンセントを借りて、業務用スポットクーラーを使うのもいいですが、大部屋で作業するときに涼しくなるのは一部だし。他の業者さんがいる場合迷惑になることもあります。
その点、空調服なら着ている人だけの問題で済むので使い勝手がいいし。低コストで熱中症対策をすることができます。
精神的なモチベーションが向上する
空調服の着用は作業者のモチベーション向上に大きく寄与します。
夏の現場はとにかく暑くて、仕事をすること・動くことが精神的にしんどくなりますが空調服で体温を調整することができるので肉体的に快適に動くことができるだけではなく精神的にもモチベーションを上げることができます。
つまり、空調服は物理的な快適さを向上させるだけでなく心理的なモチベーションも高め、結果的に全体的な作業効率と生産性を向上させるのです。
空調服のデメリットや注意点
作業を行う上でデメリットになることは、ほとんどないと私は思います。
ですが、空調服は小型ファン・バッテリーといった部品があるので、
- 経年劣化
- 故障
- 購入費用
が発生します。
特に、性能がいい空調服はセットで2万円以上するものが普通なのでやや高めです。
空調服はコストがかかるけど値段以上に、快適に作業できるコスパの良い商品です。
価格だけではなく、空調服を着ることで発生する注意点やデメリットについて紹介します。
膨らむことでの見た目と動きにくさ
引用:ログログDIY
空調服は、常に膨らんだ状態。
画像はベストタイプであまり気にならないですが、長袖タイプの空調服だと結構膨らみます。
ウェアがウレタン・ポリエステルなどの柔らかい素材だと、ベイマックスみたいな見た目になります!
空気で膨らんでいるのでやわらかいので、動きが煩わしいと感じる人は少ないですがそれでも気になる人は気になるかもしれません。
ファンの音
空調服=ファン付き作業着なので作業中に気になることはないですが、ファンがずっと回っている状態なので静かな場所だと音が気になります。
電車の中でも使っている人は、たまにいますが周囲が静かな場所だと使いにくいです。
手持ちの扇風機が腰部分で動作しているので、静音の製品でも風量を強くすると「ウィーン」という音は鳴ってしまいます。
涼しい風が発生することはない
引用:空調服™(ファン付ウェア)とは | 暑さ対策・熱中症対策グッズ | 株式会社空調服
空調服は、服の中に風を送り込むだけの機能なので涼しい風を取り込んでくれる訳ではないです。
空調服が涼しいという勘違いをされている方がいますが、猛暑日の屋外で空調服をつけても涼しい風が発生することはないので注意しましょう。
空調服が涼しい理由は、汗が乾く時に発生する気化熱です。
汗をかいていない状態で使ってもそんなに涼しさを感じないので、水分補給をきちんとして汗をかかないと効果は半減してしまいます。
バッテリーの充電が切れると意味がない
充電を忘れると、空調服はただの暑い服になります。
空調服のウェアは風を取り込んで、襟元や袖元に空気を排出している構造になっているのでバッテリーが切れた状態で着用すると蒸れて暑いです。
メーカーさんの努力で、バッテリーがどう時間は標準風速で使えば6時間以上持つものがほとんどですが…、バッテリーを充電し忘れると悲惨です。
バッテリーの充電を万全にしましょう。
ホコリが多い現場では要注意
空調服の小型ファン部分にフィルターは基本的についていません。
粉塵やホコリが多い現場で着用すると、ファンが汚れるだけではなくインナーも埃まみれになります!
空調服を着用して作業すると、フィルターを付けても剥がれてしまうので着用する現場も選んで使いましょう。
また、空調服は定期的にフォン部分の清掃をしないと効果が薄れてしまいますので清掃をするようにしましょう。
インナーが速乾性・通気性がないと効果が減少する
空調服は、汗を乾かすことで涼しさを感じるので、インナーに吸水性や通気性がないと効果が減少します。
空調服の中にきる衣類は薄手のものを使うようにしましょう。
特にこだわりがない方には、コンプレッションインナーがおすすめです。
空調服に関するデメリットについては、こちらの記事にまとめてあるのでぜひ読んでみてください。
空調服は夏の現場の必須アイテム
これまで空調服の紹介や着るメリット・デメリットを説明しました。
空調服の効果をまとめると、
- 熱中症予防
- 夏場の作業効率UP
- 汗の臭い対策
に抜群の効果を発揮します。
日本の夏は、年々暑くなっているので工事現場から生まれた空調服がいろんな現場で使われるようになってきました。
初期の空調服に比べて、デザイン的にかっこいい空調服も販売され始めているので私服でも、家の中でも使う日は近いのかもしれません。
夏の現場の空調服。
使ってない方は、ぜひ使ってみてください!